DTMレコーディングへの道『オーディオインターフェイス探しの旅編』
前回の「マイク探しの旅」編では、やっとマイクが決まってホッとしたのもつかの間。
さあいよいよ録音!と思ったら、この『SHURE / PGA27-LC』マイク、ファンタム電源(+48V)が必要ですので、ジャックがXRLコネクター(通称:キャノンコネクター)なのです。
いつもお馴染みの3.5mmステレオミニプラグではないので、一眼レフカメラに直接差すことができない。
「そんなことも知らんのか!このど素人が!」とお叱りを受けそうなほど、実は私サウンドエンジニアリングに疎いのです。
私たちの扱うオーディオも、大きく言えば同じ音響ですが、オーディオとサウンドエンジニアリングでは、その性質が大きく異なります。
そのためこの「DTMレコーディングへの道」ブログは、サウンドエンジニアリングが全く素人の私が、七転八倒しながら何とか見よう見真似でレコーディングする様を実況でお届けするというYouTube的なゆる~い企画なのです。
まず、このXRL(キャノン)コネクターを接続する方法として、オーディオインターフェイスなるものが必要ということがわかりました。
オーディオインターフェイスとは一体何をするものなのか?
このオーディオインターフェイス、音声や楽器などのアナログで入力された音を、デジタルに変換してパソコンに送るためのもので、逆にデジタル音声をアナログに変換して出力する機能を持つ機器のことです。
種類として、オーディオインターフェイスそのものが、ミニコンピュータとして演算処理するものと、処理はパソコン側で行うものとに分かれます。
パソコン側で処理をする場合、当然パソコンのCPUに負荷がかかるので、それなりのスペックのパソコンが必要です。私の場合、パソコンで多くのソフトを使用しているので、なるべく負荷をかけないためオーディオインタフェイス内で処理をするタイプの一択。
オーディオインターフェイスは一般的に、マイクやギター、シンセなどを録音するために使用するのがメインと思われがちですが、DTMでは、どのような環境下で再生しても、製作者の意図した音に近づけるために、高音質な音声変換機能を持つオーディオインターフェイスがDTMに不可欠なのです。
オーディオインターフェイスの必要性
オーディオインターフェイスを利用するのには理由があって、それは概ね以下の3点です。
・高音質への改善
・遅延(レイテンシー)の改善
・様々な入出力方式に対応
1.高音質への改善
マイクやギター、シンセなどを直接パソコンと接続するとノイズが入ってします。
また出力時も同様で、パソコンから音声を直接スピーカーなどで出力する場合にも、音の劣化やノイズが問題となります。そこで、これらを解消するために、高音質の変換機能を持つオーディオインターフェイスが必要ということです。
2. 遅延(レイテンシー)の改善
単純にギターやマイクの音をデジタル変換してパソコンに取り込むと、パソコン側でデジタル返還のための演算処理を行うので、どうしても若干のタイムラグが生じてしまいます。
これをレイテンシーと言います。ギターにエフェクトをかけながらの「かけ録り」の場合、弾いているより若干遅れて音が聞こえる気持ち悪い録音になってしまいます。
この遅延を極限まで低くするためには、パソコンに負荷をかけない、処理能力の高いCPUを搭載したオーディオインターフェイスが必要となりますが、当然、処理能力の高いオーディオインターフェイスほど高額となります。
3.様々な入出力方式に対応
複数のマイクを使用したり、ギターやシンセなどと言った楽器を同時接続を可能にするのがオーディオインターフェイス 。
コンデンサマイクでボーカル録音をする場合などは、XRL端子(ファンタム電源)が必要ですが、パソコンにはこのような端子はありません。より多くの楽器の録音を行う際には、多くのマイク入力端子(チャンネル)が必要ですので、必要チャンネル数に合った、オーディオインターフェイスを選ぶのがポイントです。
それでは、どんなオーディオインターフェイス がいいのか?
早速、オーディオインターフェイス を選んでいきます。
オーディオインターフェイスの候補
下記が、私が候補に挙げたオーディオインターフェイス。
1. Universal Audioの「APOLL Twin MarkⅡ solo 」 価格:¥85,320(税込)
Unison プリアンププラグインによる、世界屈指のマイクプリアンプが放つクラシックなサウンドが定評。
2. RME 「Babyface pro」 価格:¥94,024(税込)
独自ドライバによる超低レイテンシー等々、プロフェッショナルの現場での要求に応えられる初のモバイル・オーディオ・インターフェイス。
3. STEINBERG 「UR28M」 価格:¥32,400(税込)
操作性が高くわかりやすいインターフェイスに、DAW「Cubasis」 のライト版 Cubasis LE が付属するのが魅力。
4. STEINBERG 「UR22mk Ⅱ」価格:¥15,552(税込)
YAMAHAが誇る、ハイコストパフォーマンスを実現したコンパクトオーディオインターフェースのベストセラー。
それぞれ個性があり、どれも魅力的な機能や性能を秘めていますが、マイクプリアンプ内蔵で、+48Vのファンタム電源搭載という点では一緒です。
今回の目的では、マイクは多くても2本までしか想定していないので、マイク入力端子は2本で十分ですが、その分こだわりとして、コンパクトで出来るだけ操作がシンプルな上簡単。さらにデジタル変換性能が高く高音質なこと。
これは、元々のコンセプト通り、できるだけ原音に忠実に録音再生したいので、オーディオインターフェイスそのものの高音質変換機能が優れている必要があるのです。また、プラグインやエフェエクトも今のところ必要としません。
そうすると最終的に、Universal Audioの『APOLL Twin Mark Ⅱ solo 』が、一番コンセプトに合っているかなと思います。
とは言え音に関しては、どうしても好みが別れるところですから、どれが正解というものは無いのですけどね。
私の好みとして、性能はもちろんデザインも含めて『APOLL Twin MarkⅡ solo』に決めました。
今後DTMにハマっていった場合、プラグインにも興味がわくと思いますが、Universal Audioのプラグインがとても優れているようですし、必要なプラグインは別途メーカーサイトから購入できるというのも便利です。
これでやっと、レコーディングができる!
いえ、未だ足りないモノがいくつかあります。
オーディオインターフェイスを動作させるためにはDAWソフト(音楽編集ソフト)が必要なのです。
DAWソフト
では、このオーディオインターフェイスを音声変換器としてプラグをさせばいいのか?というと、それだけでは動作しません。
さほど多くの操作は必要ありませんが、音楽編集ソフト(DAW)が必要なのです。
DAW【Digital Audio Workstation】ソフトはオーディオ楽器の録音、MIDI入力、エフェクトを使ってトラックや音質の調整、ミキシング、マスタリングなど…レコーディングに必要な機能が全て一つになった総合音楽制作ソフトです。
これらのソフトには、いくつかのプラグインがバンドルされていたり、様々な演奏パターンがプリセットされているので、全くゼロから音やリズムを作らなくても、ある程度はリズムを作ることができるDTM編集作業には欠かせません。
そこで、今回どんなDAWソフトを使用するべきか検討してみたのですが、
STEINBERG(YAMAHA)の「Cubase」というソフトが使いやすいようで、多くのアーティストや音楽プロデューサーが使っていることから、ネット上に使用方法やテクニックなどの情報がアップされているので、困った時に便利かなと思いました。
実際、取引先の専門店の担当者に聞いたところ、「録って出し」ならMacの純正DWAソフト「Garageband」で充分だとアドバイスをもらいました。
ということで、今回は超初心者がオーディオのレコーディングだけを行うので、まずはMacに標準でバンドルされている『GarageBand』(無料)を試してみることにします。
なんせビジターなので、取り敢えず使ってみてコツを掴んでから、ステップアップしたいものですから。
こうして、オーディオインターフェイスもコンセプトをブラすことなく、Universal Audio『APOLL Twin Mark Ⅱ solo 』を迷わず購入。
これで、マイク、オーディオインターフェイス、DAWソフトが揃いました。
まとめ
一応一通り試してみましたが、使いやすさは想像通りでいたって簡単。
単純にコンバージョン機器としていい仕事をしてくれそうです。
バンドルされているプラグインもそこそこ入っていますが、ひとつづつ試すのは大変なので、使いそうなプラグインだけチェック。
ボーカルの声を録るのに定評のある、UAD-2 Neve 「1073 Preamp」を試してみたところ控えめに掛けているだけで音声がナチュラルさを損なわずいい感じ。
今後、他のプラグインとかも駆使して楽器や声の録音だけでなく、打ち込みなども入れて作曲できると楽しいでしょうね。
とりあえず今回はオーディオの生音レコーディングと、最初と最後の編集ぐらいですから追々勉強していこうと思います。
さあ、あとはモニタリング用のヘッドホンとスピーカーさえあればOK。
次回は「モニターヘッドホン探しの旅」編をお送りしますのでお楽しみに。
ぶん / Noboru