DTMレコーディングへの道『マイク探しの旅』前編
最近、何やらデスク周りが賑やかになっています。
取り扱うスピーカーの種類が増えてきたので、それぞれのスピーカーの音の違いを、できるだけ多くの人に聴いてもらうために、『モノとオト』のサイト内でスピーカーの音をレコーディングして、聴き比べるコンテンツを制作することにしました。
そこで何を血迷ったか、ついでに五十の手習い(諺では六十の手習い)で、DTMをおっ始めようなどと思い立ち、何事も形から入る私はまずは機材からというわけ。
こうして始まった「DTMレコーディングへの道」。
DTMのど素人が未知の分野へ片足を突っ込み、右往左往しながら機材選びをしていくというドキュメンタリー仕立てで、数回に分けてアップしていこうと思います。
初めてのDTMのためのマイク探し
さあ、まずは最も肝心なマイク探しの旅に出発です。
目的は、単純に動画用のレコーディングをしたいので、音源にエフェクトをかけたり加工したりする必要はなく、純粋にマイクがあればいいのかなと思い、安易な気持ちでヨドバシカメラ新宿西口本店に直行。
早速、近くにいたPanasonicと背中に書いてある店員さんに、
1. YouTubeに動画をアップしたい。
2. 内容はオーディオの音質紹介。
3. 撮影カメラはCanon 5D Mark Ⅳの一眼レフ。
4. 動画を撮るのは初めて。
5. この条件にぴったりのマイクが欲しい。
と伝えたところ。
紹介されたマイクが、RODE (ロード) 『 VideoMicro』
RODE『VideoMicro』ってどんなマイク?
RODEのマイクは、YouTubeでもお馴染みで、多くのYouTuberが使っていますよね。
このマイク、とても評判が良いからと薦められました。
お値段も7,260円(税込)とお手頃ということもあり視聴せず即購入。
これまで動画撮影には特に興味がありませんでしたが、オーストラリアのマイクメーカーというのは以前から知っていました。それくらい有名なメーカーですね。だから、このRODE『 VideoMicro』の録音性能がとても興味深いです。
さてRODE『 VideoMicro』、装着はいたって簡単。箱から出して、モフモフ(ウィンドシールド)をマイクに被せて、カメラのホットシューに取り付けた後、コードをカメラのマイク端子に差し込むだけ。電源はカメラから供給するので電池も必要ありません。
ちなみにRODE『 VideoMicro』はモノラルマイクですが、録音方式はデュアルモノラルで、再生時にL Rどちらも全く同じ音が再生されます。だからヘッドホンやイヤホンまたはステレオスピーカーで聴いても、偏りはがなく音がセンター寄りです。
このモフモフ、どこか女性のバッグに付いてるアクセサリーみたいですね。
YouTubeでお馴染みのこの感じ。赤いカールコードが、Lレンズの赤ラインと合っていてグッドです。
こんなに小さくて大丈夫?と思いながらも、指向性の高い有名な小型コンデンサーマイクですから、取り敢えず録音してみましょう。
CANON EOS 5D MARK Ⅳに取り付けて、いざ動画撮影スタート。
動画と言っても音がメインで、画は静止画なのでカメラの操作は必要なし。スタートオンとオフだけ。編集でコメントを入れて少し賑やかさを出す程度です。
今回はDTMレコーディングの初回ということもあって、先日Tivol Audio のARTコレクション最期のデバイス、サブウーファーがリリースされたばかりなので、それら4台を組み合わせたTivoli Audio製品の3.1chを録音してみます。
やっぱりTivoliって温っかくて密度が濃い、いい音鳴らすな〜。
3分後、無事撮影終了。
早速 Adobe Premier Proに取り込んで聴いてみることに。とはいえ、動画編集ソフトを触ったことがないので、AdobeのPremier Pro CC 2018をダウンロードするところから。
Adobe Creative Cloud契約はこんな時重宝しますね。高いけど.....
今まで一度も使ったことのない Premier Proですが、とりあえず直感でやってみましょう。
これが録音した音。
ん? 何だかポコポコ跳ねている感じですね。
どうやら低音が弱い印象です。それにサブ・ウーファーの低音は全く拾っていないようです。
念のためカタログで確認すると、このRODE『 VideoMicro』の周波数は何と100Hz-20kHz!?
『MODEL SUB』の周波数が最高で80Hzだから、まるっきり空振り。
どうりで高音が効きすぎた感じでパンパン跳ねる訳ですね。
マイク選びの教訓
RODE『 VideoMicro』は、今回の録音のような幅広いレンジをカバーするのには向いていないようです。
でも、軽いから気軽にカメラに取り付けて、音声などを録音するには丁度いいと思います。
やっぱり精密機器は、ある程度値段次第というところがありますので、エントリー・モデルに多くを期待しいてはいけません。
できれば、ちゃんと試聴してから購入することをオススメします。
これ程種類の多いマイクですから、しっかり用途に合ったものを選ぶことが最も大事で、今回はそれを怠ったため用途に合わず失敗しましたが、決してこのマイクの性能が悪いという訳ではありません。人の声などシビアな音域を求めないシーンでは十分の性能だと感じましたので、そういった用途に合わせて活用していくつもりです。
今回の私の場合は、完全に浮き足立っていたから、おそらくヨドバシカメラの店員さんに、YouTuberに憧れるおっさんビギナーだと思われたのでしょう。
だったらいっそのことYouTuberになってしまえ、とも考えましたが、滑舌が悪いのでやめておきます。
ということで今回の教訓は、それぞれ用途にあったマイクを選ぶことが大事だということですね。
それと、価格だけで判断しないこと。結局、お金と時間を使って遠回りをしてしまうのがオチです。その分より良いモノを買えますしね。
ついでに言うとこのRODE『 VideoMicro』、みなさんが気にされるホワイトノイズ(ザーっというアレです)に関しては普通に入ります。
私の場合は、極力あるがままを録って再生したいので気にしませんが、どうしても気になる場合は、イコライザーで後処理するしかなさそうですね。
この様に、セオリー通りしっかりと出鼻をくじかれましたが、このくらいは想定内ですので、また新たなマイク探しの旅に出発します。
それでは次回「マイク探しの旅」後編に続きます。
ぶん / Noboru