DTMレコーディングへの道『マイク探しの旅』後編
前編から続いて、また一からマイク探しの旅に出ます。
今度は遠くに行かないよう、セグウェに乗って行こうと思います。(笑)
コンデンサーマイクという選択
録音について調べていくうちに、どうやら幅広い音域を綺麗に録音する場合、できるだけダイアフラム(マイクの中にある直接声を拾う振動板)の面積が大きいマイクを使用するのがいいようです。特に低音に関しては、その差が大きく反映されるそうです。
そうすると「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」に2分されますが、私の録音対象はオーディオなので、音質が良くボーカルから楽器まで、幅広いレンジで繊細な音を拾うことができる、コンデンサーマイクがベストのよう。
前回購入したRODE『VideoMicro』もコンデンサーマイクした。
そこで、コンデンサーマイクをググってみると、マイクってピンキリなんだって、ビックリです。
前回のこともあるし、やはり精密機器は値段なりだということを理解していましたが、こうしてみるとちょっといいなと思うモノはどれも高価なモノばかり。その上ダイナミックマイクに比べてデリケートで壊れやすいとくる。
そんなコンデンサーマイクと言えば、特に不朽の名作 NEUMANN (ノイマン)「U 87」が鉄板みたいですが、如何せん高すぎ。かっこいいですけどね。
NEUMANN (ノイマン)「U 87」
綾取りのような緻密なマイクホルダーにシャンパンゴールドの輝きが、なんだか懐かしい90年代のバブルっぽい感じ。
好きです。
そう、男とは不屈の名作に揺さぶられる生き物。
しかし、一介のオーディオ屋のオヤジがこんなモノに手を出そうものなら、それはデイアゴスティーニで戦艦大和を作るようなもの。
決してゴールにたどり着くことのないエンドレス・ジャーニー。
こんな時は、日頃お世話になっているその道の専門のお取引先様に相談するのが一番です。
皆さんお忙しいのに、専門用語からわからない私のトンチンカンな質問に、丁寧に答えて頂きとても感謝です。
またこの分野も同じく、こと音に関しては残念ながら日本製よりも海外製品の方が、相対的にクオリティの高いものが多いと感じます。
だから、マイクも信頼のおける海外メーカーで、しかもお手頃価格、その上ハイクオリティーでカッコイイといった虫のいいことを考えていると….
ぴったりのマイク
あるじゃないですか!多くのミュージシャンから愛されて、サウンドエンジニアリングとしての信頼も高いコンデンサーマイク。
そのマイクはSHURE (シュアー)『 PGA27-LC』お値段 ¥25,704(税込)Amazon参照
しかもマットブラックでクールな外観も私好みでグッドです。
このSHUREというメーカー、1925年にアメリカのイリノイ州で設立された音響メーカーで、ライブやツアー、スタジオ用マイクの世界的リーディングカンパニーです。
有名なところでは、SHURE「SM58」(通称:ゴッパー)というダイナミックマイクで、SM58を一度も使ったことがない一流アーティストいないと言われるほど。
SHURE SM58
SM58マイク、ライブ会場やスタジオで必ずと言っていいほど使用されている有名なダイナミックマイクで、ロジャー・ダルトリー、ポール・マッカートニー、ヘンリー・ロリンズ、パティ・スミスなど名だたるミュージシャンに愛された、プロフェッショナル・ボーカル・マイクの世界標準なのです。
こんな素晴らしいモノ作りのマイクメーカーですが、ヘッドホンやイヤホンもそのクオリティーの高さから、プロアマ問わず音楽関連の方の愛用者が多いですね。
そして、このSHURE 『PGA27-LC』の周波数は20Hz~ 20KHz。
これだとちゃんとサブウーファーの音も拾えそうです。
ちょっとここで、SHURE 『PGA27-LC』について補足しておきます。
マイク背面についているスイッチは2つだけ。
このノブは、録音の際に低音をカットしたいときには左に倒し、ピアノやパーカッションなど低音を生かしたい場合は右に倒します。
このスイッチは、ドラムやトランペットなどの集音の際に、入力ゲインが大き過ぎて割れてしまうのを防ぐためのモノ。
そして、ファンタム電源(+48V)が必要ですのでXLRコネクタ(キャノン・コネクタ)です。
ここでひとつ気になることが判明。
このマイクはモノラルマイクなので、ステレオ録音するには、マイクが2台必要と言うじゃありませんか。
それも角度や距離など、二つのマイクの音被りなどを計算して緻密に設置しないとダメなんだとか。
どうやら単純にマイクを2台買えばいい、というものでもないようです。
ではステレオマイクを買えばいいのでは?と思い探しましたが、これがまたステレオマイクのいいモノがないんですよね。
マイクのチューニングには全く自信がないので、ここは一旦冷静になってモノラルで録音してみることに決定。
だって結局出力がYouTubeなんだから、そんなに凝りすぎても仕方ないいかなと。
それよりも、できるだけ忠実に原音に近い録ったままの音を聴いていただくのが目的なので、下手に細工などせず、音の幅や奥行き感が伝わればと思い、潔くコンデンサーマイク1台でいくことにします。
と言うことで、この SHURE 『PGA27-LC』1台で録った音を聴いてみてください。
どうですか?
先ほどの RODE『 VideoMicro』と比べて音が明らかに違いますよね。
レンジの広さが感じられ、特に低音がちゃんと出ていて音の粒がくっきりとし、キメが細かい感じでRODE「VideoMicro」のようなトゲトゲしさがありません。
やっぱりダイアフラムの大きなマイクの方が、密度の高い録音ができるのがよくわかります。
こうしてみると、目的にあったマイクを使うことが大事だなってつくづく思いました。
とここで参考までに紹介しておきます。
人間が耳で聴いた時の音(音質、距離、方向なと)に限りなく近づけるために開発されたマイクがこれ。
NEUMANN ノイマン の『KU100 ダミーヘッドバイノーラルステレオマイク』
お値段なんと、¥927,500(税別)だとか。
やっぱりマイクは奥が深いやですね。
この領域には、あまり近づかないようします。
マイクの旅終了
今回は、一眼レフカメラ直付けタイプの指向性コンデンサーマイク RODE『VideoMicro』と、スタジオ用コンデンサーマイク SHURE 『PGA27-LC』。
この2種類のマイクで、オーディオの音を生録音して聴き比べてもらいましたが、いかがだったでしょうか?
当然、値段の差もありますが SHURE 『PGA27-LC』の方が確実に原音に近い感じで録音できました。
ただ他のマイクを使ったことがなく比較できないので、もしかしたらマイクを替えるともっと原音に忠実な音が録れるかもしれません。
でも、私はこの SHURE 『PGA27-LC』のクリアな音質がとても気に入ったので、マイクの旅は一旦終了とします。
と、ここまでだとまだ、DTMの扉のノブにさえ触れていない状態なので、次回は「オーディオインターフェイスの旅」をお届けします。
ぜひお楽しみにしていてくださいね。
ぶん / Noboru