Tivoli Audio(チボリオーディオ) Model One BT ラジオ・スピーカーのレビュー 

突然ですが、ラジオと聞いてあなたはどう思いますか?
実は今、密かにラジオが再熱してきているのです。

普段スマホで慣れ親しんでいるインスタや twitterなどのSNSに一番不足しているモノ、それは『声』です。
ラジオはまさにこの声によるSNSとして、他では絶対味わえない独自の魅力があります。
そんなラジオの魅力をあなたも味わってみたくないですか?

今回はラジオを楽しむためのキング・オブ・ラジオについてレビューしてみました。

 

 

ラジオの魅力

パーソナリティーやDJのよもやま話、流行りや懐かしい音楽、イベントの詳細や交通情報、ニュースや天気予報まで、様々な情報が程よくバランスされて心地よく耳に入ってくる。飽きることなくいつまでも聞いていられる。こんな便利で丁度いいメディアってラジオ以外ありません。

そんな便利で丁度いいラジオをあなたは聴いていますか?
おそらくほとんどの方が「聴いていない」と答えられるのではないでしょうか。

ではなぜ、聴いていないのか.......ズバリ、それはラジオが手元にないからです。

「スマホのアプリで聴こうと思ったら聴ける」とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。しかし、スマホは電話もかかってくるし、メールやSNSのチェックなどなど多用で手離せない。だから、わざわざスマホのアプリでラジオを聴くというのは、普段あまり利用しないのではないでしょうか。

 

ビデオリサーチ社が関東、関西、中京エリアで収集したデータでは、1週間のうちラジオを聞いた人は全体の55.5%で、しかも1日あたり2時間近くラジオを聞いているそうです。実に過半数の方がラジオを聞いているのです。

ラジオのどこがそんなにいいのか?その理由を知りたくありませんか。まだラジオを聞いたことのないあなたも、ラジオを聞いてみたくなりませんか。

そこで、今回は最適なラジオとして、Tivoli Audio『Model One BT』をご紹介したいと思います。

 

「テーブルラジオのマスターピース」これほどラジオらしいラジオはない


2000年、ヘンリークロス博士によって、世界で初めて携帯電話の受信基地局で使用していた受信方式を応用して開発されたGaAsトランジスタによって受信感度を飛躍的に向上させ、FM電波の混信を低減することに成功したテーブルラジオ、それが『Model One』です。

ヘンリークロス博士は、そのModel Oneを発売するための会社とし、2000年にTivoli Audio社を設立しました。なんとその時ヘンリーは71歳でしたが、そのわずか2年後に自宅の階段から落ちて他界してしまいます。

その後、実に12年間にわたりModel Oneは販売され続けましたが、2014年にBluetooth機能が装備され、ライブラリの楽曲をワイヤレスで楽しむことができるようになって、ラジオだけでなく新たにオーディオとしての『Model One BT』に生まれ変わりました。

このModel One Btのルーツは17年も前にさかのぼりますが、これほど長く愛され続けてきたラジオは、その愛らしい外観に簡単な操作と、明瞭で透き通った中音域や空圧を利用して低音を効かせた音質。これほど完成されたラジオは他に見当たりません。正に「テーブルラジオのマスターピース」と呼ぶにふさわしいラジオなのです。

 

 

Model One BTのシンプルな操作性

Model One BTには、ON / OFF、AM / FM、Bluetoothの切替えつまみと、ボリュームつまみ、チューニングダイヤルの3つしか操作するものがないので、非常にシンプルな操作性で迷いません。

ラジオのチューニングダイヤルは、5:1レートチャンネルのギヤ比で、5度回すと1度チューニングが進むので微妙なチューニングも簡単です。この適度な重さがチューニングに向いていると思います。
また、選局表示ランプ(オレンジ色のLED)の明るさで、チューニングされたかどうかを確認できるのも便利です。

日本と違いラジオ局が無数にあるアメリカでは、緻密なチューニングが要求されます。Model One Btのダイヤルチューニングは、その緻密さを追求し開発されたものですのでチューニングがとてもスムーズです。

 

 

 

Model One BTの温かみのあるデザイン

四角い木製フレームに大きなダイヤルとスピーカー。「ラジオを描いてみて」と言うとほとんどの人がこの形を描くだろう普遍的なThe Radioたるデザインが特徴の『Model One BT』。
このModel One BT、どこかホッとする温かみのあるデザインは、17年間変わることなく今に至ります。このシンプルなデザインはそれほど完成されたデザインだということでしょう。

また、操作系を近代的なボタンにしないのも、目の不自由な方にも簡単に操作できるための配慮から。こんな思いもこのモデルが長年愛され続けてきた理由ではないでしょうか。

 

 

Model One BTのインテリアとの親和性

Model One BTは、その小さくてミニマムなデザインとクラシカルなアナログ感が、様々なインテリアに合わせやすく部屋や場所を選びませんし、ハードカバーの小説1冊分しかスペースをとりません。

そしてリビングやダイニング、キッチンに書斎、寝室など、どこに置いても違和感なくフィットする不思議なオーディオで、小日向文世さんのような、どこまでも控えめな脇役を演じてくれますが、いざとなったら主役を食うぐらいの存在感を放つ実力の持ち主です。あなたも主役を食う顔を見たくないですか?

 

 

Model One BTの音質

オーディオの神と崇められたヘンリー。彼はラジオを愛し、人の声がよりはっきりと明瞭に聞こえることにこだわりました。1950年代当時、オーディオは高価でとても大きなものであった時代に、ヘンリーは、より小さくて高音質で誰でも買うことができるオーディオを開発するという信念を貫き、晩年このModel Oneを完成させました。

そのためModel One (BT)の音質はとてもクリアで、深みのある音を再現できるので聴いていると、このスピーカーがモノラルであることを忘れてしまうほどです。実はヘンリーは、ラジオで人の声がはっきりと滑らかに聴こえるために
あえてモノラルにしているのです。しかし、普通であればモノラルはステレオと比べて物足りなく感じるものですが、Model One BTで聴く音は、そう感じさせない膨よかな厚みのある生音に忠実な再現性を持ち合わせたスピーカーなのだと感じます。
それも、ヘンリーの空圧を利用したバフレフ型のエアーサスペンション方式を採用しているからに他なりませんが、アナログなこの技法が今日でも人の耳にとても優しい表現をすることに驚きました。

やはり、生音を聴くスピーカーはアナログが一番ですね。そう断言できます。

 

まとめ

ヘンリーが他界する2年前に作り上げたテーブルラジオ『Model One』。そして12年後、Bluetooth機能を搭載してオーディオに進化した『Model One BT』。誰もが手軽で簡単に上質な音を聴くための装置、それがヘンリーの願いを具現化した名機。その小さな躯体からとても質の高い上品な音が流れ出すとき。暖められていく空気の匂いを嗅ぎながらコーヒーを入れるキッチン。窓から差し込む光に時間がにじむ午後のひととき。夜の帳が降りて人声が聞こえなくなるころ。上質な音に包まれて心地よい気分にさせてくれる。そんな贅沢な時間を過ごすことができる名脇役です。

あなたもそんな満たされた大人の時間を味わってみませんか。

 

ぶん / Noboru