世界一カラフルなポータブルラジオスピーカー、新製品 PAL BT Generation2 | Tivoli Audio のレビュー
伝統的なポータブルラジオスピーカーが、7色のカラーを纏って登場(日本は6色展開)。今、間違いなく世界一カラフルなポータブルラジオスピーカーだと断言できるでしょう。PAL BTは、2002年のTivoli Audio創設初期からずっと生産し続けているロングセラーモデル。
Tivoli Audioと言えば木製キャビネットのイメージが強いのですが、チボリオーディオ製品の中で、唯一ラジオ機能が備わったポータブルスピーカーとして、防塵防滴仕様でアウトドアでも使えるオーディオがこのPAL BTです。
しかもTivoli Audio製品の中でも、世界中で第3位の売り上げを保持しているかなりの人気アイテムなんです。
今回そんなPAL BTが、2012年のBluetooth化のマイナーチェンジ以来9年ぶりに本格的なモデルチェンジを果たし、新色を加えリリースされましたので早速レビューしてみたいと思います。
おやっ?と思われた方がいらっしゃるかもしれません。
そう、外観はカラーの違い以外見分けがつかない、というか全く同じデザインです。今回のモデルチャンジは一見マイナーチェンジのように見えるのですが、劇的に変更されたのは実は内部構造なんです。
それではひとつずつチェックしていきましょう!
パーマネントデザイン
まずは外観から。
左がこれまでのPAL BTで、右が新しくなったPAL BT Generation2。
どうです?大きさも全く同じですね。
またダイヤルやドライバーの大きさもレイアウトも同じ。
旧PAL BTではBluetoothと表記がありますが、新PAl BTでは排除されています。
もはやBluetoothは当たり前ということでしょうか。
カラーはこれまでの2トーンから1トーンの単色になり洗練されてスタイリッシュになった印象。
背面のレイアウトもほぼ同じですね。AUXインプットに、3.5mmのステレオヘッドホン端子とDCアダプター端子、伸長式FMアンテナも同じです。因みにアンテナの最長サイズも同じでした。
2018年のSupremeとのコラボレーションモデル(限定品)で赤色ワントーンで仕上げられたPAL BTを見てかっこいいと思っていたので、今回のワントーン化は個人的には大歓迎です。ただ欲を言えばサンドカラーのようなキャンプに合わせやすいカラーもあれば嬉しいなと。
既に18年経ったデザインですが、いまだ色あせることなく親しまれていることからしても、この四角と丸だけの構成やサイズとバランスなど、素晴らしいデザインだと思いますし、パーマネントデザインとしてその容姿を大きく変えることなく今後も継承されていくのでしょうね。
イコライザーチューニングによるのサウンド
音質は今回のモデルチェンジで大きく変わった点の一つです。
今回は3.5インチのフルレンジドライバーを刷新し、新たにサウンドチューニングを見直したそうです。
旧PAL BTの音質は、とにかくクリアということで定評がありましたが、今回の新PAL BTは更に粒が細かくクリアさの密度が増した感じです。そして、これまでは低音が跳ねる感じがあったのですが、新PAL BTでは低音が落ち着いて、これが全体の厚みを感じさせる印象になっているのだと思います。だから、音楽視聴スピーカーとしても十分楽しめるチューニングが施されていると感じました。
今では希少なアナログ操作
個人的にはPAL BTの最も優れている点は、これ以上ない簡単な操作性だと思っています。
なんだ、そんこと?って思われるかもしれませんが、毎日FMラジオをBGM代わりに聴いている私にとって、ダイヤルをカチッと15°回すだけで直ぐに聴けるのは全くのストレスフリーで、完全に毎朝のルーティンになっています。
まあ、通常はスイッチON→ラジオを選択と2タッチの操作が多く、ワンタッチかツータッチの差なのですが、この差が大きいのです。これは使っってみて初めて実感できることなんですね。
私のオフィスでは、常に30機種ほどオーディオ製品があるのですが、毎日必ず使用しているのはPAL BTです。それほど楽チンで心地良い音質を楽しませてくれる名機だと思っています。
だからラジオをメインで聴くという方には、私はいつもPAL BTを勧めています。
ラジオを聴くためのオーディオ
毎日スマホやPCでネットを利用していると、自分が欲しい情報ばかり追いかけてしまい情報が偏ってしまいますよね。その点ラジオはいろんな情報が勝手に入ってきますから、何かをしながら聴くのに最適です。
そのせいか、このところラジオリスナーが増えているそうです。
ラジオのいいところは、時々パーソナリティーの本音に近い部分が聴けることや、今時の流行りの楽曲から懐かしい楽曲まで幅広く聴かせてくれる点と、最新のニュースやプチ情報が聴けること。
ラジオってかなり旬な知識を得ることができて、ちょっとした小話のネタにとても役立っています。
このPAL BT Generation2のラジオは、最近では珍しいダイヤルチューニング式を採用していて、ダイヤルを5°回すと1°周波数が進む 5:1にギアダウンしているため、適度な重さもあり正確なチューニングができるのがいいですね。まさにラジオを触っているという感じで愛着が湧きます。ボタンでラジオ局をプリセットして選局する方が、素早く多くの局にアジャストできて便利ですが、ダイヤルを回してチューニングするという所作って、ついつい触ってしまう犬の肉球のようなモノで、キュートアグレッションなんですよね。(笑)
※キュートアグレッション:かわいいと思った対象を噛んだり、つまんだり、きつく抱きしめたいという衝動を感じること
Bluetoothペアリング
Bluetoothは5.0にアップデートされ、それとともにペアリング方法も変更されています。旧PAL BTは 特にペアリングボタンがなく、ツマミをBluetoothに合わせると勝手にペアリングが始まります。それに対して新PAL BTは背面いBluetoothボタンが追加され、4秒間長押しするとペアリングが開始されます。これによってペアリングのスピードと精度が上がっているようです。
とは言え、一度スマホをペアリングしてしまえば、それ以降はツマミをBluetoothにすれば勝手にペアリングされるので最初だけなんですけどね。
サスティナブルへの取り組み
Tivoli Audioは、環境保護のため外箱や緩衝材に再生紙を使用したり、製品を包むビニールも100%性分解性プラスチックを使用しているそうです。
今では当たり前となったこのような環境保護への取り組みも、カスタマーからすると自分も良いことに関わった気になって気分がいいものです。
スペック
PAL BT Generation2のスペックは下記のとおりです。
サイズ:高さ 153 mm 幅 92 mm 奥行120 mm
重 量:0.79 kg
- AM/ワイドFMラジオ
- Bluetooth 5.0
- 2.5インチフルレンジドライバー
- 3.5mm AUX入力端子
- 耐候性キャビネット
- リチウムイオンバッテリー内蔵
- 3.5時間フル充電
- 12時間連続使用可能
- ステレオヘッドホン出力端子
- 9V 2A ACアダプター
本当に使えるオーディオって一体何?
今回、こうやって新旧のPAL BTを比べてみましたが、ワントーンになったカラーは断然新PAL BTの方が大人っぽくてモノとして気分が高まります。
そして特徴的なアナログ操作は、正直全く同じと言っていいと思います。いい意味でアナログ感がしっかりと残っていて、使っていて楽しさを感じることのできるオーディオですし、世界的には完全にデジタル化へシフトしているので、PAl BTのようなアナログ操作のオーディオは壊滅的です。ボタンや液晶画面を使用することで、よりすっきりとしたデザインにはなるのでしょうが、どれも似たような物ばかりが氾濫してしまい操作も覚えることが増えていく一方です。
実際に普段使いとして何も覚えることなく、直感的に簡単に操作できていい音を楽しむことのできるオーディオこそが、本当に使えるオーディオではないでしょうか。
キッチン、書斎、寝室、トイレや洗面所にガレージなど、小さくてかさばらないし、新たなカラーバリエーションでインテリアにも合わせやすいので、普段よく利用する場所にさりげなく置いて、いつでもラジオや音楽を気軽に楽しむためのモノとしては最適だと思います。
「PAL BT Generation2」、2021年10月現在において高音質、高感度、ポータブル、耐候性、デザインとラジオ好きの欲求を満たしてくれる最高のアイテムだと断言しちゃいます。
ぶん / Noboru