ヘルムート・ニュートンと12人の女たち

新年明けましておめでとうごさいます。

穏やかな年末年始を過ごしていたら、いきなり緊急事態宣言が発令されるとの報道でびっくりです。

そんな中、昨年末に体調を崩して観に行けなかった映画をBunkamura ル・シネマで観てきました。

その映画『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』は、巨匠ヘルムート・ニュートンの生誕100年を記念して制作されたドキュメンタリー。

入口には、1999年刊行された"SUMO BOOK"が展示されていましたが、この写真集驚くのはその大きさ。横50cm x 縦70cm、重さ約35.4キロ。当初の販売価格約20万円という規格外の写真集。

ニュートンは、アーヴィング・ペンやリチャード・アヴェドン と並び、VOGUEをはじめ一流ファッション誌で独自の感性で女性を撮り続けた奇才のファッションフォトグラファー。

それまでのモード写真と一線を画す自由で自立した力強いサディステイックな女性像や、アナーキーで独創的な世界観は、「女性嫌悪主義」との議論も巻き起こし、“20世紀を最も騒がせた写真家”として注目を浴びました。

2004年にロサンゼルスで起こした自動車事故で不慮の死を遂げるまで、半世紀近くにわたって第一線のファッションフォトグラファーとして活躍し続けたニュートンは、60年代後半の性の改革期によってヌードがタブーではなくなった頃、挑発的で官能的な魅力がいっぱいの写真で急激にキャリアを築いていきました。

僕がヘルムート・ニュートンを好きなのは、ファッション撮影といえばスタジオ撮影が当たり前とされた当時、ロケで自然光を多用し、奇抜でユニークなアイデアをファッション誌にどんどん取り入れていくオリジナルな撮影スタイル。

特に、彼の撮る服を着ない裸体のファッション写真に衝撃を覚えましたね。

それ以来説明的なコマーシャルフォトに興味を持てなくなり、ストーリーを連想させる、そんな写真が好きになったのも彼の影響かもしれません。

いずれにしても最近は草食系写真が流行りのようですが、ニュートンやアヴェドン、ペン、ウェバーなどの肉食系写真が久しい今、是非こんなパンチのある写真家が出てきて欲しいですね。

私も無機質なオーディオを、ニュートンのようにルールや概念に捉われない自由な表現で、ポートレートのように撮りたいものです。

そのために必要なものは、センス、技術、被写体?それとも道具?

自分なりに答えはわかっていますが....

うん。新しいカメラ買おう!

 

ぶん / Noboru