Transparent Speaker / トランスペアレント スピーカーの ローンチ 

『Transparent Speaker / トランスペレント スピーカー』

2010 年スタートアップとして、スウェーデンストックホルムで産声を上げたTransparent Speaker /トランスペレント スピーカー。

創業者兼デザイナーのパー氏はNOKIAから独立して、PEOPELE PEOPLEというデザインスタジオを立ち上げ、IKEAやエレクトロラクスなどのプロダクトデザインを手掛けていました。

その間オリジナルプロダクトの『透明なスピーカー』の構想を煮詰め、販売に向けた製品化のためにクラウドファンディングで資金を募ったのがこのブランドの始まり。

それをたまたまネットで見つけて、すぐに注文したのが2015年のこと。

後から聞くとそれが日本に販売した第1号機だったみたい。



だから私の手元にはレアな初期モデル『PEOPLE PEOPELE』のロゴ入りスピーカーがあります。
将来価値が上がると嬉しいのですが(笑)

 

手元に届いたスピーカーは想像以上にずっしりと重く、見た目からは信じられないほどのしっかりとした広がりを感じるリッチで上品なサウンドだったのを覚えています。
すぐにその音質とデザインに惚れこんでパーさんとメールのやり取りが始まりました。

 

その後クラウドファンディングによる資金調達が順調に進み、2017年にブランド名を『TRANSPARENT SOUND』と改めていよいよ本格的に彼らのブランドビジネスがスタート。ちょっと紛らわしいので補足しておきくと、ブランド名が『TRANSPARENT SOUND / トランスペアレント サウンド」で、商品名が『Transparent Speaker / トランスペアレント スピーカー』。ややこしいな。

 

そして2020年2月18日、遂に日本での発売が開始しました。

私がその時感じたインスピレーションを皆さんに紹介できる機会がようやく訪れたのです。

偶然出会って一目惚れしたスピーカーを日本で発売できて本当に嬉しいです。

元々アパレルショップなどの商業施設のインテリアデザイナーだった私は、デザイン性の高いモノや空間が大好きで、特にストーリーやバックグラウンドを感じるモノに強く惹かれます。

このトランスペアレント・スピーカーも正にそんなモノのひとつ。

勿論、音作りはとことん拘った技術に裏付けされていて、その違いは実際に手に触れて音を聴いて貰え一目瞭然。

しっかりと手応えを感じる、決して期待を裏切らない美しい大人のスピーカーという感じ。

ホントに「美しい」という例えがピッタリ。

今回、アルヴァ・アアルトなどの家具を扱うヘルシンキのファニチャーショップの直営店舗、Artek表参道さんのご好意で会場をお借りして、トランスペアレント・スピーカーのローンチイベントを行いました。

そこでパー氏がイベントのために来日してくれて、ブランドのルーツやプロダクトの完成に至る経緯などを話してくれました。これがなかなか興味深い話でとても面白かったです。

さらに何とプロダクトデザイン界の巨匠でもあり、グッドデザイン賞の審査員長も務める柴田文枝さんと、今注目のカリモクケーススタディー唯一の日本人デザイナー芦沢健二さんが来てくださって3者鼎談が実現。

この鼎談、実は家具やプロダクト好きには夢のような共演なんです。

ブランドとは、どんな人達がどんなところでどんな思いでどんなモノを制作しているのか、そしてどんなビジョンを持っているのかがとても大切で、表面的な見た目や優れた機能よりもむしろこういったルーツや物語が大事だったりします。

実際、そのモノの背景や歴史などの前情報を一切知らないで感動できたり好きになれるものって世の中そうそうありません。大自然が創り上げた壮大なスケールの景観や、圧倒される古代の建造物に、無条件に引き込まれる素晴らしい音楽など、芸術の域に達しない限り滅多にお目にかかれません。

だから私たちはどこかでそのモノの価値を見定めようとして、ルーツや物語に期待するのです。

人はいつだって作品の意味を読み解こうとするものですから。

そういった意味ではこのトランスペアレント スピーカーには、ちゃんと理由が備わっていて今後のデザイン史に残るパーマネントデザインスピーカーになる予感をヒシヒシと感じます。

そんな予感のするオーディオって、1950年代にディーターラムスがデザインしたBRAUNのオーディオ以来ではないでしょうか。

 

 

サスティナブル

最近では語り尽くされたサスティナブルという言葉。

私がこの言葉を知るきっかけとなったのが、1992年にブラジルのリオで行われた環境サミットで、当時12歳だったセヴァン・カリス=スズキという日系2世の女の子の伝説のスピーチを記した「あなたが世界を変える日」という本を読んだとき。

物凄い衝撃が走ったのを覚えています。

それから15年たった今、ようやく皆んなが本気で考えはじめんだだなと感じるようになりましたが、環境のために何かをする、ということばかりが先行してしまうと何事も窮屈になってしまいますよね。

特にデザイナーが新しいモノを創りだす場合、プライオリティは美しいモノだったり、機能的であったりするもので、その上で、更に環境への負荷をより少なくすることを課題にします。

このトランスペアレント スピーカーは偶然にして必然的にデザインと機能と環境への低負荷が同居したレアなケースだと思います。

デザイナーのパーさんも、テーマとしては以前から持っていたけど、それがデザインの足枷にならないように配慮して三位一体のスピーカーが完成したって言ってました。

だから押し付けがましさもなく、理屈っぽさも感じない、極めてフラットで透明なプロダクト。

しかも特段に「私、地球に優しいんです」などと無粋な面を一切感じさせず、純粋に見た目がかっこいいスピーカー。そして使い込んでいくとこのスピーカーの本質を知ることになる。これって、すごく物語性があって益々好きになって行くという、一握りの秀逸なプロダクトしか持ち合わせない要素なんですね。

そう、いつまでも価値が落ちない、いえ、むしろ価値が上がるというヴィンテージの要素。まるで吉永小百合さんのような‥‥。

このトランスペアレントスピーカー、デジタルなのにヴィンテージ性を兼ね備え、時が経つほどにその存在感を増していく稀有なスピーカーとして50年後がとっても楽しみ。

なんせアルミフレームと強化ガラスで覆われた筐体は150年保つのだそう。

ただ、その時には私はいませんので本当かどうか責任は持てませんよ(笑)

21世紀版ヴィンテージプロダクト、

何でいつまでもそんなに輝けるのか?
何でそんなにピュアで透明感があるのか?
何でそんなに美しいのか?

魅力溢れていつまでも人の心に残る吉永小百合。元い、トランスペアレント スピーカー。

これほどまでにアート性を秘めたスピーカーを私は知りません。

全てが透けて見えるスピーカーの未来はまだ見えません。

だからその歩みと一緒に歴史を刻みたい。

そして、いつの日か製品が作品に変わる。

もうおわかりでしょう。このスピーカーを購入するということはパトロンになるということ。

いつの時代も作品にはパトロンが必要ですから。

そして、50年後サザビーズのオークションにかけましょう!

前澤さんが買ってくれるかも。

 

ぶん / Noboru

 

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