Tivoli Audioの本格派ベッドサイド スピーカー『REVIVE』のレビュー 

 

多様化するライフスタイルの中で、新たな可能性を求めてTivoli Audio / チボリオーディオから2020年11月、新製品『REVIVE /リバイブ』がリリースされました。

『リバイブ』その名前の由来は、「蘇らせる、復活する」という意。

チボリオーディオ創設から20周年を迎える今年、これからのチボリオーディオのネクストジェネレーションに向けて、満を辞してリリースしてきた渾身の一作リバイブを紹介してみたいと思います。

 

アーキテクチャなデザイン。ミースを感じる。

このリバイブですが、チボリオーディオの2つの柱「クラッシック」「ART」のうち、ARTシリーズに属するモデル。ARTシリーズと言えば、絵画や彫刻のようにインテリアのアクセントになるデザイン性と多機能性を兼ね備えたスピーカーという位置づけ。

デザイン的には、ARTシリーズの中のCUBEというモデルを踏襲し、より有機的にモデファイしたものですが、まず他でお目にかかったことのない独創的な外見が、なんだかプロダクトというよりむしろアーキテクチャなフォルムで、私の好きなミースの建築を連想し一発で一目惚れしちゃいました。

キューブ型のスピーカー部分は左右にそれぞれ15°ずつ回転するので、ダイレクトに音を聞きたい場合や、あえて反射させて聴く場合などは重宝しますね。でも、なんで15度なんだろ......?

 

 

 

本当に欲しいと思う機能。

リバイブは先に述べたように「蘇らせる、復活する」をテーマに、主にホテルのベッドサイドユニットとして目的を絞り込んで設定された機能を搭載しています。当然試してみたくなりますよね。その機能と名前がまた見事にマッチしているのも説得力があるんです。

 

・音楽によって元気やパワーを蘇らせる

・ベットサイドで眠りから蘇らせる

・ライトによって暗闇から蘇らせる

・ワイヤレス充電でスマホを蘇らせる

 

もちろんリビングやダイニングに書斎など、ベッドサイド以外でも使える便利な機能が備わっていて、その主な機能は下記の4つ。

 ■スピーカー上部に4段階の調光機能付きLED照明。

 ■標準的なQI充電(ワイヤレス充電)機能が装備。

 ■Bluetooth5.0対応。

 ■充電用USBポート付き。

照明

LED照明は上部に発光するため、読書灯としては少し光量が足りないかもしれませんが、間接照明としては十分な灯りで雰囲気もバッチリです。

電気のマークをタッチすると光量が4段階で調整できます。

ワイヤレス充電

個人的に一番気に入った機能がQI充電(ワイヤレス充電)。

標準的なQI充電機能が装備されていて、枕元にリバイブを置いてスマホを充電しながら音楽やポッドキャストが聴けて、スマホのアラームで朝目覚めるとスマホがフル充電されているというのはとっても便利。

Qi規格というワイヤレス給電方式がメジャーで、巷では「チー・ジュウデン」と呼ばれています。

家電量販店とかで売ってるQI充電器を見ても、わざわざテーブルに置いてその上にスマホを置くっていうのもスマートさを狙っているとは思うけど、全然スマートじゃない気がして買いませんでしたが、その点このリバイブは無粋さがなくてベッド周りもすっきりしていいですね。

 

Bluetooth5.0対応

Bluetooth5.0に対応しているので、電波の影響も少ないため音飛びの心配もないようです。

そして特筆すべきはBluetoothのペアリングが早いこと。

すっかりBluetoothが当たり前になってきた日常では、ペアリングが遅いとそれだけでストレスになりますからね。

 

 

充電用USBポート付き

もしiPadなどの充電するデバイスが複数ある場合は、充電用のUSB端子でも充電可能です。「SERVICE」ポートは、サポートセンターなどで故障の際に内部にアクセスして調べるためのポート。

3.5mmステレオミニプラグAUX入力端子が付いているので、iPhoneやCDプレーヤーなどの外部デバイスとも有線接続が可能なのも、拡張性があってベッドサイドユニット以外の使用も考えられていています。

直感的でマニュアル要らずの操作性。

オーディオの操作ボタンは4つ。

左から電源スイッチ、Bluetoothペアリングスイッチ、ボリュームダウン・スイッチ、ボリュームアップ・スイッチ、それだけです。

操作面では、さすがホテル使用を念頭に開発されただけあって、どの操作も至ってシンプルで直感的に操作ができるのは取説嫌いな私好みです。

最近のデジタル製品は機能が増えるにつれて、どんどん説明書が厚くなっていくのはどうなんでしょうね。

 

 

5つ星ホテルが認めたブランド。

チボリオーディオは、これまでリッツカールトンマリオットホテルエースホテル、ブルガリホテルなど世界有数の5つ星ホテルにオーディオを供給しグローバルパートナーシップを築いてきました。

私の知る限り、これほど一流ホテルの客室に使用されているオーディオブランドはチボリオーディオぐらいではないでしょうか。

それもホテル専用モデルではなく、一般に販売しているモノと全く同じスピーカーで、所謂吊るしってやつ。誰でも同じモノを購入することができるのはありがたい。特にホテルへの導入実績の多いモデルは、Model One BTModel Three BTですが、スマホの普及に合わせて充電機能の要望と、世界的にホテル建設ラッシュの波に合わせ、今回新たにベッドサイドユニットを開発したのがこのリバイブなんだって。今後はこのリバイブもホテルに設置されていくはず。

最も、ベッドサイドだけではなく普通にBluetoothスピーカーとして使用できるのですが、敢えてベッドサイドユニットと唄うところにチボリオーディオ のしたたかさを感じますね。

 

 

アナログ感漂うアコースティックサウンド。

リバイブのキューブ状のスピーカー部分は、先にデビューしているARTシリーズの「CUBE」スピーカーのユニットを利用したモノで、正面のスピーカーグリルは、カールハンセンやハーマンミラーの家具に使用されていることでも知られるデンマークのガブリエル社のファブリック。何でも音の抜け方が他のファブリックとは全然違うらしい。デザイナーのポールも多少コスト高になるけどそこは譲れないのだとか。だからこのこだわりはお布施ですかね。

その甲斐あってか、この約12cm角の小さな立方体のサウンドは上品なウールに包まれてるような優しい温もりを感じます。カシミアのように繊細で緻密な極めの細かさとは違う、少しだけ厚みのある安心感というのでしょうか。

だから上品でドタバタした感じがしないから落ち着いて長時間聴いても疲れない。特に中域が厚く、高域は伸びがあって結構クリーンに聴こえるけど、低音はそんなに主張が強くない感じ。だから迫力の重低音を期待しちゃダメ。これはチボリオーディオっぽい味付けで、マービンゲイやジャクジョンソンのようなアナログでアコースティックな感じが合ってそう。あっ、それと、山下達郎や浜田省吾のシティーポップもイケてましたね。

イコライザーが付いてないから、自分では音質を大きく変調できませんが、枕元で聞く分にはこういったチューニングは私好みですね。

そんなリバイブの海外のレビュー記事を見ると、フラットで味気ない音のようなことを書いてる人がいましたが、その記事の写真に写っている製品は旧生産工場のサンプル品でしたね。

プレート状のLOGOが貼られた同じモノを私も持っていますが、本製品版は新工場で作られていて音質は全く別モノですよ。

製品版


サンプル品

おそらく、チボリオーディオ が各代理店に送ったサンプルを代理店がレビューさせたのでしょうが、ちゃんと製品版をレビューしないと誤解を招くからダメっすね。

 

 

 

毎日使うモノとしての1台。

昨今テレビやネットニュースでは、アメリカ大統領選挙の開票速報の話題で持ちきりですが、投票の不正疑惑などなかなか決着がつかない様相ですね。

さて、そんな大騒ぎのアメリカから多様なライフスタイルに向けて、オールマイティーな便利ガジェットよりも焦点を絞ったモノの方が、より魅力的で贅沢に感じるという発想で開発されたリバイブは、有数の5つ星ホテルに採用されているとてつもない安心感を引っ提げて、"ベッドサイドで毎日使うモノ" としてこれまでとは全く異なるアプローチをしてきました。

このリバイブ、確かに家電に属するモノだけど、家電として一括りにできない、まるで田舎の小学校に都会からやって来た清楚なかわいい転校生みたいな異質なモノ。誰だってキュンとしますよね。

夜寝る時、最もリラックスする瞬間、そっと寄りそうスピーカー。

秋の夜長にヒーリングミュージックを聞きながら寝落ちするもよし。ASMRで気持ち良くなるのもよし。

私に場合、寝る前に聴いて落ち着くのは、やっぱり笑福亭鶴光のオールナイトニッポンですかね。2分で寝落ちしてますね。

 

 

ぶん / Noboru