Marshall創立50周年記念モデル『HANWELL』デッドストック放出
ジム・マーシャルがロンドンの郊外の町、ハンウェルのアクスブリッジ・ロード76番地に『Jim Marshall and Son』と名ずけたショップをオープンしたのは1960年7月7日の火曜日のこと。
当時ドラマーだったジム・マーシャルは子供達にドラムを教えていた。そして、その生徒たちにドラムを販売していたこともあって、ちゃんとしたショップを構えることになる。
このショップに足を運んでいたドラマーは、他のバンド・メンバーを連れてくるようになり、その中には、あのピート・タウンゼントやリッチー・ブラックモアもいた。
彼らは、それまで使用していたギターアンプに全く満足していなかった。それでもFenderのBassmanが最もイメージに近いが、サウンドがクリーンすぎると不満を持っていた。
そんな彼らは真空管が強くプッシュされて、オーバードライブのかかった、甘くてハーモニーが効く歪んだ音を欲した。
その甘い歪みこそがディストーション。
丁度、ジムの息子が自作アンプの試作をしていたこともあって、彼らはジムにとびっきりディストーションの効いたアンプを作って欲しいと懇願してきたのだ。
そうしてジム親子のギターアンプ物語が始まった。
このショップこそが、時・マーシャルが息子と一緒に初出店をし、現代のMarshallブランドの礎を築いた「Marshall発祥の地」なのである。
その後、ジミー・ヘンドリクスがアメリカからこの店にやってきてMarshallと契約したのは有名な話。
こうして、Marshallが輝かしい実績を積み上げてきて、世界中のミュージシャンが認める世界一のアンプメーカーになった。
アニバーサリー・エディション
ハンウェルの地から、Marshallが初めてアンプをリリースして始まったマーシャルの歴史が50年を刻んだ2012年、50thアニバーサリー・モデルとしてMarshall初のオーディオ・スピーカーを世界10,000台限定発売したのが『HANWELL』。
(カラーは、ブラック、クリーム、グリーン、パープルの4色)
そう、発祥の地を名前にしたリミテッドエディション。発表されるや全世界で話題をかっさらったプロダクトでした。
日本では当時300台が正式輸入され、定価¥100,000(税別)と高額なプライスでしたが、リリースと同時に引き合いが多く、次のレギュラー・プロダクト『STANMORE』が発売される頃には完売となっていました。 (そう言えば、当時は消費税が5%でした......)
そんな『HANWELL』を何で今更と思うでしょうが、今回お取引先の某アパレルメーカーに預けていた、新品未使用品のデッドストックが4台も見つかり無事に戻ってきたのです。我々もすっかり忘れていました。
まさに奇跡のデッドストック。
2010年ですから当然Bluetooth機能は装備されていません。
3.5mmステレオミニプラグ・オンリーの有線仕様です。
要は表面的にデジタルの要素が皆無です。
よって今後もデジタルの流れに左右されることもなく、Bluetoothの規格がアップデートしていくことも気にすることもありませんし、電波的な不具合も起こりません。
Marshallらしい極めてアナログなスピーカーなのです。
ご興味のある方は、下記の『HANWELLとは』へお進みください。
HANWELLとは
ここで少し『HANWELL』について解説しておきますね。
なお、下記の写真は現在事務所で使用中のHANWELLですので、既に7年ほど使用しているモノ。今回の商品は新品ですから現品とは異なります。、あくまでもご参考程度にしてください。
因みに一度も故障なく、最も古株として現役選手です。
デザインはMarshallのビンテージ・アンプを彷彿させる伝統的なルックスで、正面のグリルクロスもMarshallアンプ純正の”Bluesbreaker”を使用し、ゴールドのパイピングやツマミのノブなど細部にわたってMarshallアンプのディーティールをそのまま移植しています。
また、コードはMarshallお得意の真鍮プラグ付きのカールコード。この3.5mmステレオミニプラグのカールコードって意外と他に売っていないんですよね。昔の黒電話のコードみたいだけど、ギターをアンプに繋いでいるみたい。こんな拘りも好きです。
TOPの真鍮プレートに配置されるのは、ボリューム、BABB、TREBLE、電源スイッチとIINPUT入力端子だけ。
どれもノブ形状なのでどなたにも使いやすく、直感的に操作できるのもアナログ的でいいですね。
嬉しいことに。このアニバーサリー・エディションには、シリアルナンバーが刻印されています。自分だけのモノとしての特別感が一層高まりますよね。(※写真は弊社のサンプル品のため、シリアルナンバーが刻印されていません)
このMarshallのロゴ、かっこいいですね。私も中学の時にバンドをやって以来ずっと憧れのブランドです。
他のMarshallスピーカーと違って、背面にもスチールプレートが取り付けられています。
まさに、リミテッドモデルの証ですね。
音質についてですが、これはもう、大迫力なラウド・サウンドという他ありません。
底面にはこのように大きなバスレフ型ウーファーが装備されていますので、低音もとても重厚ですが決してドンシャリではなく、レンジの広さを感じさせてくれるハイパワーなスピーカーです。
アンプ同様の木製キャビネットは、W435mm、D193mm、H297mmというそこそこのボリューム感。なんてたって10.5Kgもありますから、そりゃあ豊かな音域に深みのある低音を再現するにはこのぐらい必要なのだろうと感じます。
しかし2010年当時、これでもコンパクト・スピーカーってみんな呼んでいましたからね。
今なら完全に大型スピーカーです。見た目以外7年間全く変わっていない私と比べて、テクノロジーの進化の凄まじいこと。
折しも本日、 4月5日はジム・マーシャルの命日なんです。2012年イギリスのミルトン・キーンズで89歳で永眠されました。もうジムが亡くなって6年が経つのですね。
奇遇というか、必然というか、このタイミングでこんなMarshallのルーツに由来する、激レアなお知らせができることをなんだか嬉しく感じます。
そんなMarshallのルーツとロマンに浸りながら、ハードロックを爆音で鳴らしてみたいですね
やっぱりアナログが一番という方には特にオススメです。
『HANWELL』
それは、Marshallにとっての原点。
この地をリスペクトすると共に、今当たり前に聴いている音楽も、彼がいなかったら随分と変わっていたはず。そう思うと、只々感謝の気持ちでいっぱいです。
今日はUKロックを爆音で聴きながら過ごしたい気分です。
「サンキュー ジム、アーメン」
ぶん / Noboru
※完売いたしました。