建築様式ブルータリズムにオマージュを捧げたスピーカー
何かと話題のブルータリズム

ゴールデングローブ賞の各賞を受賞するなど大ヒット上映中の映画「ブルータリスト」も話題の中、まさに1950年代のイギリスで誕生した建築様式ブルータリズムにオマージュを捧げたスピーカーがTRANSPARENTのBrutalist Speaker。幾何学的なシンプルさと独特な建築美が特徴のブルータリズムをスピーカーとして表現した注目作です。
映画の上映でブルータリズム、ブルータリストなどの言葉を初めて聞いたという人も多いかもしれませんが、TRANSPARENTのBrutalist SpeakerはUKデザイン・インテリアを中心としたライフスタイル誌「Wallpaper」のデザインアワードTECH部門を受賞したり、デザイン・ファッション・建築・アートなど、暮らしのデザインを発信する雑誌「Casa BRUTUS」3月号でも取り上げられるなど、ブルータリズム、ブルータリスト、TRANSPARENTのBrutalist Speakerは何かと話題の存在なのです。
1950年代、世界を席巻したブルータリズム

TRANSPARENTのBrutalist Speakerや映画「ブルータリスト」で注目を集めるブルータリズムとは一体どのような建築様式なのでしょうか。その歴史を紐解くと、1950年代まで遡ります。イギリスで発祥し、第二次世界大戦後に世界中で大流行した、打ちっぱなしのコンクリートと装飾を極力省き、素材やテクスチャそのものに重きを置いた建築様式です。
そもそもはイギリスの建築家Alison Smithsonがむき出しのコンクリートやレンガの建造物に対しブルータリズムという表現を使ったのが起点であり、その後、建築評論家であるReyner Banhamの評論によって世界的にブルータリズムという表現が広まっていったといわれています。
Brutalist Speakerのデザインインスピレーション

[左] スイスの彫刻家Hans Aeschbacher(ハンス・エシュバッハー)による「Figure XVI」(1959年)の彫刻作品。
作品の特徴は、ブルータリズムやモダニズムの影響を受けた抽象彫刻であり、幾何学的な直線と立方体を組み合わせた力強い構成と工業的な素材感を生かした表面処理が挙げられます。堅牢なフォルムと幾何学的なシンプルさは、ブルータリズムの理念と深く結びついています。
[右] オーストリアの彫刻家・建築家 Fritz Wotruba(フリッツ・ヴォトルーバ)による「Wotruba Church(ヴォトルーバ教会)」(1974年)。
Wotruba Church(ヴォトルーバ教会)はオーストリア・ウィーンでFritz Wotruba(フリッツ・ヴォトルーバ)の設計によりつくられました。完成は1974年で、フリッツ・ヴォトルーバの死後、弟子が完成させたものです。その特徴は、152個の巨大なコンクリートブロックを組み合わせた独特な建築、そして装飾のない幾何学的な形状、彫刻と建築の融合、教会建築の伝統的な形を覆しモダンアートを色濃く反映している点が挙げられます。これは、ブルータリズム建築の代表例として、世界的に高い評価を得ています。
サステナブル素材を活用し比類なきオーディオ体験を

実際にBrutalist Speakerに触れてみると、まるで「重厚な金属の塊」のような重厚感と高級感ある、他に類を見ない、まさにそびえ立つアートピースという印象を受けます。それは一見彫刻作品かアート作品かのような佇まいです。TRANSPARENTのブランドフィロソフィに基づき、サステナブル精神を大切にし、ボディにはリサイクルアルミニウムを採用し、同ブランドが持つ卓越したデザインへのこだわりをしっかりと反映した、まさに作品といえるスピーカーです。
また、その内部には大型の音響構造を持ち、精密に設計されたバスレフポートによって、迫力のある低音を生み出します。さらに、2つの3インチフルレンジスピーカーを90°の角度で配置することで、より広範囲にわたり繊細な高音を届けます。特にコーナーに設置することで壁の反響を活かし、より没入感のあるサウンド体験を提供するよう設計されているのです。高さ59cm、重量およそ12kgという存在感も相まって、部屋中を迫力ある音響体験に誘います。