【新製品レビュー】GENEVA『Acustica Lounge Radio』ペットのように愛でたくなるスピーカー。
2018年度からガラッとイメージを一新したスイスのオーディオブランド「GENEVA」。
そんなGENEVAのコレクションにニューモデルがまたひとつ加わりました。
そのニューモデルとは、これまでフラッグシップモデルとしてブランドを牽引してきたAcustica Loungeにラジオと時計を付けた進化版で、名前は特に捻りもなくそのまま『Acustica Lounge Radio / アコースティカ・ラウンジ・ラジオ』。
このアコースティカ・ラウンジ・ラジオは、かつて様々なインテリア雑誌やファァション誌を賑わせた先代モデル時代に開発された全方位型スピーカーシステムの進化版で、どの場所に居てもスイートスポットを味わえるというラウンド型Hi-Fiスピーカー。
※Hi-Fiとは、ハイ フィデリティの略称で、原音を忠実に再現するという意味です。
この新たなフラッグシップモデルを使用してみて、感じたことなどをレビューしてみたいと思います。
Acustica Lounge Radioのデザイン
まず最初に感じたのは、フラッグシップモデルとしての特別なこだわりさえも包み隠してしまうマイルドなビジュアルが、カラーリングとドット調のスピーカーグリルと相まって、まるで60年代レトロモダンのジュエリーボックスみたいでとってもチャーミングだということ。
こんなポップでガーリーな上に、ラグジュアリーさを併せ持つラジオ・スピーカーって、それだけでインテリアのディープなアクセントになりますよね。
ただ、単にオシャレなデザインオーディオと言うよりも、もっと身近な、そう、ペットのような存在って言えば良いのかな、手の届くところに置いていつも触っていたいっていうそんな気持ちにさせてくれるモノ。
だから初めて見た瞬間"この仔だ"ってビビッと運命を感じたよね(笑)
そんなキュートな仔だから、別に音を聴かなくてもそこに居るだけで満足できちゃう不思議なオーディオです。
Acustica Lounge Radioの操作性
このアコースティカ・ラウンジ・ラジオの操作は、他のGENEVA製品同様とても簡単で、アラームのON/OFFを兼ねたボリュームダイヤルと、8つのボタンがボディのトップに付いているだけ。
右から、「電源スイッチ」「アラーム時刻セット」「FM局の登録」「チューニング送り」「チューニング戻し」「LINE-IN」「Bluetooth』「FM選択」です。
FMラジオはプリセットでは76.0KHz~90.0K Hz。(ワイドFMではありません)
まだ日本ではラジオはデジタル放送にならないので、当面はこれまで通り電波によるFM受信です。
また、背面に付属のFMアンテナをつけることができるので、電波の受信が悪い場所などには重宝します。
Bluetoothで音楽を聴く場合は、Bluetoothボタンを押せば勝手に近くにあるデバイスとペアリングしてくれます。
ペアリングが完了すれば、そのままデバイスで再生できます。
一旦ペアリングしてしまえば、次回からはアコースティカ・ラウンジ・ラジオがそのデバイスを記憶するのでスムーズに再生できてノンストレスです。
また、iPhoneやAndroid、グーグル・クロームキャスト・オーディオなどを有線で接続する場合は、3.5mm用ステレオミニプラグを背面ポートに接続して、トップの「LINE-IN』ボタンを押せばWi-Fi音源が再生できます。
アコースティカ・ラウンジも同様なのですが、グーグル・クロームキャスト・オーディオ(別売り)を本体から電源を取りつつ常時接続しておくことで、BluetoothスピーカーがWi-Fiスピーカーに早変わり。
SpotifyやApple Music、Amazon Prime Musicなどのストリーミングサービスを契約している方は、Wi-Fi接続でCD音質の楽曲を聞けるので是非使って欲しい組み合わせです。
あと、このモデルはホテル仕様も念頭に開発されたそうでアラーム機能を備えています。
時刻の設定はとっても簡単で、トップのダイヤルを回して時間を設定し、ダイヤルを押すだけ。
アラーム音はピピッと言う音で、徐々に大きくなっていくパターンと、ラジオ放送のどちらか好きな方を選ぶことができます。ただしラジオ放送を選んだ場合は、音量は設定したままの音量で徐々に大きくなることはありません。
とにかく、操作に関しては説明書を見なくても直感で扱えるくらいとっても簡単なので、箱から出してすぐに使えるのはありがたいです。
Acustica Lounge Radioの音質
さて、気になる音質ですが、名前が示す通りラウンジ空間に響きわたるようなサウンド指向のスピーカーなので、部屋のどこに居ても、まるでサラウンドで聞いているかのような立体感と広がりを感じるのがこのスピーカーの最大の特徴です。
特に中高域がとてもクリアで粒が小さく、ちゃんと解像していますが、欲を言えばもう少し高音が澄みきった感じだと、更に伸びやかさを増して立体的なサウンドにメリハリが出ると感じました。
低域に関しては50Hzから再生し、バスレフ効果も抜群で十分な迫力に文句ありません。
ボリュームを最大にしても破綻する傾向は見られませんが、全体的には若干篭ったような印象を受ける場面もありました。ただ、通常の試聴音量で聞く分には気になりませんでした。
音楽のジャンル的にはボーカルが突出した楽曲などはダイナミックに伝わってきて臨場案を感じることができてオススメです。
またジャズやクラッシックも相性がいいと思いますが、低音が効きすぎかなって思うこともありました。
ロックやポップスはバランスの取れたチューニングのお陰か相性バッチリでした。
相対的には生音の楽曲やライブなんかが、良い雰囲気で楽しめると思います。
まあ、私は毎晩これでケミカルブラザーズをガンガンに鳴らしながらストレッチしていますけど(笑)。
ただこういったスピーカーについていつも思うのですが、このようなMid-Fiオーディオはピュアオーディオのような向こう側の世界を求めるわけではなく、もっと気軽にさっと聴けることの方が大事で、リスニングポイントを特定しないで部屋の中のどこででも気持ちよくBGMを聴くことが求められているはず。
だからこそ、単なるスピーカーだとしても自分のライフスタイルに合ったモノを選んで欲しいと思います。
そのためにはデザインや音質も大切ですが、身に着けたり、身の回りに置くものなどはパッションを感じれるかどうかが大切だと思っています。
Acustica Lounge Radioのスペック
写真(大きさの比較)
サ イ ズ:W29.5cm×D17.6cm×H15.5cm
質 量:3,210g(本体のみ)
FM周波数:76.0~90.0MHz
Bluetooth : Bluetooth 5.0
カ ラ ー :ブラック、ホワイト、レッド、コニャック
付帯機能:時計、アラーム機能付き
価 格:35,800円(税別)
付 属 品:電源コード、FMアンテナ
まあまあ、ソコソコの大きさです。
でもこのくらいの大きさがないと、安定した重みのある音が出ずらいですからね。
プライスは、正直このクラスのオーディオとしてはかなりお買い得かと。
まとめ
特にフサフサしているわけでもなく、丸くてコロコロしている訳でもないシンプルで無機質な箱なんだけど、不思議と愛でたくなるラジオ・スピーカーなんですよね、コレ。
普段使いとしてサラッと音楽を聴くのに最適なスピーカーで、おまけにラジオも聴けるから、読書や掃除、料理や趣味など、何かをしながらのBGM使いにピッタリです。
仔犬を散歩するように毎日のルーティンとしてつい触って音を鳴らしたくなる、そんな何気ない日常に浸るための道具、いえ、相棒と言う方がしっくりくる温もりを感じるモノでした。
ぶん / Noboru