ヘッドホン選びのポイント(2018年度版)
みなさんはヘッドホン派ですか?
イヤホン派ですか?
それともどちらも使っていないとか。
今回はヘッドホンの用途について綴ってみます。
まず、ヘッドホンは用途によって、「ポータブル用」「音楽鑑賞用」「業務用」などに分類されます。
そして、用途別に分類された中で、さらに特徴別に分類され、最終的に目的の用途や、自身の好みにに合ったヘッドホンを選ぶ事になります。
では、用途別に解説していきますね。
【 用途 】
①ポータブル用
持ち運びしやすい小型・軽量なヘッドホンのこと。
通勤・通学の際に、電車内などでも使えるよう音漏れの少ない密閉型が多いのも特徴です。
最近ではバッテリーの持ちも良くなったため、Bluetooth対応モデルが人気ですね。
Marshall『Major2』
②音楽鑑賞用
自宅などでゆっくりと、音楽を楽しむのに適したヘッドホンです。
ポータブルに比べてやや大きめで、アンプなどと合わせて楽しむのに向いています。
また、開放型というあえて音漏れをさせて、音の空間表現を幅広く演出するタイプのヘッドホンもあります。
SENNHEISER『HD800S』
③業務用
『モニターヘッドホン』と呼ばれる、いわゆるレコーディングスタジオやテレビ、ラジオ放送局で主に使用されるタイプのプロ仕様のヘッドホンです。
音を緻密にモニタリングすることを目的としているので、余計な味付けがなくフラットな再現性が特徴です。音を一音一音しっかりと正確に分析するのに適しています。
SONY『MDR-CD900ST』
ざっくりと用途に分けて説明しましたが、今度はヘッドホンの音の特性で分類してみます。
へッドホンは、発音部(ドライバーユニット)と外部との遮音性の違いによって大きく2つに分けることができます。
【 ハウジング形状の違い 】
※ハウジング:耳に当てるケース部分のこと。
①密閉型
遮音性の高いタイプのヘッドホンを、密閉型と言います。
ドライバーユニットの背面を密閉することで、ハウジング内の遮音性が高まり、周囲の騒音を遮断し、リスニングに集中することができます。そのため、外部への音漏れも少なく、満員電車などで使用しても気になりません。
音質については、細かい音の解像力が高く、一般的に密閉性が高いほど低音再生に優れるので、迫力のある低音が特徴です。
その反面、音が籠りやすく空間の広がりや立体感、臨場感などの表現に向いていません。
むしろ完成した音源を、きちんとクリアに聴きたい人に向いています。
また、ハウジングの一部に孔が開いている完全な密閉型ではないモノを、半密閉型(セミオープン型)と言います。
SHURE『SRH1540』
②開放型
背面(ハウジング)やドライバーユニットが密閉されていない、遮音性の低いタイプのヘッドホンを開放型と言います。 一般的に装着感が快適で軽量な製品が多く、音の抜けが良くて高音域の伸びの良さが特長です。
そのため、密閉型に比べて、音の再現性に関して設計上の自由度が高いため、高音質を実現しやすいので、ハイエンド機に多く使用されています。
上記のことから、一般的に、密閉型は低音域に強く、開放型は高音域が強い機種が多いのですが、機種ごとにチュー二ングが異なるので、全てがそうとは限りません。
室内で長時間リスニングする場合は、やや大振りですが開放型が向いています。
逆に、屋外、外出先などでの使用する場合は、小振りな密閉型が向いているでしょう。
AKG『K612 PRO』
今度は、ハウジングの形状ごとに、「オーバーヘッドタイプ」「オンイヤータイプ」「オーバーイヤータイプ」とタイプ別に分類されているので、そちらをご紹介します。
【 形状タイプ 】
①オーバーヘッドタイプ
オーバーヘッドタイプは、最も一般的なヘッドホンの形状です。
それは誰もがイメージするヘッドホンの形状で、いわゆるヘッドバンドを頭にのせるヘッドホンのことです。パーツ構成としては「ヘッドバンド」と「左右のハウジング」で構成されています。
また、ドライバーユニット・サイズが大きく、高音質が特徴です。
ヘッドホンの主流の形状タイプで、約80%以上のヘッドホンはこのオーバーヘッドタイプだと言われています。
Marshall『MID』
②オンイヤータイプ
オンイヤータイプは、その名の通り耳を覆うのではなく、「耳にのせる」イメージのヘッドホンです。完全に耳を覆うオーバーイヤータイプよりも音質的には劣りますが、コンパクトで軽量という点が最大のメリットです。比較的価格も安価で、さらにファッション性の高いモノが多いのが特徴です。
URBANEARS『PLATTAN2』
③オーバーイヤータイプ
オーバーイヤータイプは、完全に耳を覆うヘッドフォンのこと。耳が密閉状態となりますので、外部との音を遮断るので、音漏れが少ないのがメリットです。また、耳と振動板(ダイアフラム)との間の空間が比較的広いので、豊かな音質を表現できるというのが特徴です。しかし、形状が大きく、重くなりやすいというデメリットもあります。
Marshall『MONITOR』
④骨伝導タイプ
骨伝導ヘッドホンは、音質を優先した振動板(ダイアフラム)を鳴らす設計ではなく、人骨を振動で鳴らすという構造のため、通常のヘッドホンに比べて音質的に劣るのがデメリットです。ただし耳を塞がないので、周囲の音がよく聞こえるのでスポーツや水泳などに向いています。その代わり、音漏れが大きいのが難点ですので電車内など人の多いところでは注意が必要です。
AfterShokz『TREKZ AIR』
⑤肩掛けタイプ
文字通り肩にかけて、耳に向けて音を出す指向型ヘッドホン。
これでは、もはやヘッドホンとは言えませんよね。そのためネックスピーカーとも呼ばれています。
肩に乗せることで耳への圧迫感がなくなり、長時間の視聴でも疲れることもありません。
但し、小さなスピーカーを耳から離して鳴らしているので、通常のヘッドホンと比べて音質は劣ってしまいます。
むしろ、音に合わせて振動するなどのギミックは、映画やゲームに向いています。
いい音で音楽を楽しみたいという人には向いていません。
BOSE 『SOUNDWEAR COMPANION SPEAKER』
どうですか。一言でヘッドホンと言っても色様々なタイプがありますよね。
では、今度はヘッドホンに装備される機能を紹介します。
【 機能 】
①Bluetooth
もう、言わずもがな、皆さんもご存知ですよね。
Bluetooth(ブルートゥース)は無線接続規格の名称のことで、ヘッドホンと再生デバイスをワイヤレスで接続するというもの。
②apt-X
aptXとは、Bluetoothのワイヤレス通信の音声圧縮方式(音声コーデック)のひとつ。
Android機のみに対応し、高音質、低遅延で音声データを伝送する事ができます。
なお、aptXを利用するには、送信側と受信側の両方の機器がaptXに対応していなければ効果がありません。
※iOS対応はAACというコーデック。
③ノイズキャンセリング
飛行機や電車など、どうしてもヘッドホン内部に侵入してくる周囲の雑音を消して、純粋に再生音だけをリスニングするというもの。その仕組みは、ヘッドホン内部の小さなマイクで、周囲の雑音を聞き取りそれと正反対の周波数を再生する事で雑音のみを消し去るという方式。
ボーズ博士が飛行機の中で思いつき、到着時にはその基本的な数式も完成していたという逸話も有名です。
まとめ
このように様々なタイプや種類に分類できるヘッドホン。
でも、まだまだ個性的なヘッドホンが数え切れないほどあります。
こうして見てみると、実際にどんな方に、どんなヘッドホンが合うのか?を一言でまとめるのは難しいですし、意味がありません。
なぜなら、そもそもヘッドホンは気軽に音楽を視聴するためのものですから、それなりにポータブル性も必要ですし、職業的に使用する人でも、リラックスして音楽を鑑賞したい時もあって、それら全てをカバーする万能ヘッドホンは存在しませんから。
だから、それぞれのシチュエーションに合った、ヘッドホンを選ぶというのが正解だと思います。そのため、できるだけ多くのヘッドホンを試聴して、最終的に『気に入った音』を選ぶのが一番ですね。
私の場合は、味付けをあまりせず、音場が近過ぎない、広がりを感じるラグジュアリーっぽい音質のヘッドホンが好きですね。Marshall『MONITOR』のような。ロックも聴くし、ポップスも聴くけど、どれも私好みでいい感じ。
音の好みは人それぞれなので、洋服や食べ物の様に自分に合ったモノを見つけるとハッピーな気分になれますよね。
食わず嫌いで可能性を狭めないで、出来るだけ多くのヘッドホンを視聴して、ぜひ自分流を見つけてください。
ぶん / Noboru