ラ・ボワットコンセプト大迫力スピーカー”PR/01"のレビュー
ラボワットコンセプトとNATIVE UNIONがコラボ!
高級オーディオとテックアクセサリーの雄が共作
フランスの老舗オーディオブランド「シエラ」のDNAを受け継いだLa Boite conccept/ラ・ボワットコンセプトが開発した最新一体型コンパクト・アクティブスピーカー『PR / 01』。
このPR / 01、実は香港のテックアクセサリーブランド「NATIVE UNION」とのコラボレーションモデルなんです。
NATIVE UNION / ネイティブユニオンといえばApple Storeやセレクトショップ、インテリアショップでも販売されているハイセンスなテックアクセサリーブランド。だから商品を知っている方も多いと思います。
そのネイティブユニオンのCEO イゴール・デュックとラ・ボワットコンセプトのCEOのティモシーは、大学時代の同級生ということもあって、お互い「機能性と創造性は同一であるべき」という理念が一致し、このコラボ企画がスタートしたそうです。
そこで、今回はテックアクセサリーブランドと高級オーディオブランドのコラボモデル PR / 01の実力をレビューしてみます。
80年間もピュアオーディオの本格派スピーカーを作り続けてきたシエラから独立したラ・ボワットコンセプトが、初めて開発したブックシェルフ型のアクティブスピーカーということでとても興味深いです。
開発の経緯について、2019年のバリで開催されたメゾン•オブジェでCEOのテイモシーに直接聞いたら、「スマホを中心としたデジタルガジェットの進化は目まぐるしく、原音再生を目指す高音質アクティブスピーカーも今後はあらゆるモノに接続していくだろう。そこでテックアクセサリーで有名なネイティブユニオンとコラボして、あらゆる接続に対応できる本格的スピーカー でガジェットマーケットに参入しようと思った。」ということでした。
では、そんなコネクティブなPR/01の特性を見てみましょう。
通常の一体型スピーカーでは、無線接続はBluetoothかWi-Fiまたはその両方、有線接続は、RCA、ステレオミニプラグぐらいではないでしょうか。その点ラ・ボワットコンセプトがPR/01に装備した接続端子は、RCA、ステレオミニプラグ、オプティカル(光端子)、USB-A、USB-Cと近未来までに考えられる殆どの有線接続を可能にしています。さすがにこれだけあれば困ることはなさそうですね。
ただし無線はBluetooth Apt-Xのみとなっており、Wi-Fiを使用したい場合は、Wi-Fiトランスミッターを別途購入してUSBで接続する必要があります。さらに、ボイスコントロールを使用したい場合も、Amazon echoや、Google Nest Miniなどを別途購入して接続できるようになっています。
同様にQI充電器の設置場所も考慮して設計されているので、本体の上にスマホを置くだけで充電しながら音楽再性できるのは便利ですが、私のようにスマホに厚めのカバーを付けていると充電がうまくできない場合もあるので、QI充電を使用する際はスマホケースは薄いタイプにするか、外した方がいいと思います。※QI充電器は別売りです。NATIVE UNIONのRCAコードと3.5mmステレオミニプラグコードが付属しています。
そして、これらの外付けデバイスを格納するために秘密の引き出しが付いているのがポイント。
この引き出し、まるで007の映画に出てくる秘密兵器のようなギミックで、前にスライドすると様々な接続端子が現れます。その他のデバイスやトランスミッターはここに隠すことができちゃいます。普通のスピーカーだと背面に接続端子があるので、接続をする際はいちいちスピーカー本体を大きく手前にずらして背面を覗き込むようにしないと作業ができないのに対し、PR/01はスピーカーを移動することなく簡単に接続ができて、しかも引き出しを閉じればそれらの配線を全て隠せるのでスッキリして配線や他のデバイスがデザインの邪魔をすることもありません。こんなちょっとした所作がフランスっぽいですね。
比類ないパワーを備えた一体型コンパクトスピーカー
高級感漂う真鍮削り出しのノブは低音調整用。そして音質関連調整ノブはこの一つだけ。
なぜなら、実は多くの人が高音と低音のバランスを最適な状態に調整できていないという持論から、PR/01ではわかりやすい低音を調整するだけで高音が自動的に最適化されるようになっていて、常に最良な音質で聴いてもらうために敢えて低音の調整ノブだけしか付けなかったそうです。
潔いというか、実際自分好みにする時って低音を先に調整すことが多いので、それに合わせて240Wものパワーをバランスよくベストな状態に調整してくれるならそれに越したことはないかなと。
今回はあいみょんの「桜が降る夜は」を試聴してみましたが、彼女の濃く低い声を高音のように伸びやかに聴かせる爽やかな澄んだガーリーな歌声と、透き通った淀みないファルセットもしっかりと再現し、ライブのようにバスドラもレスポンスがよいいので、彼女の放つ空気感までも気持ちよく感じることができます。
こういった個性的なボーカルの楽曲なども、音の押出しが強いため歌詞までダイレクトに伝わってくるほど、エネルギッシュなスピーカー だと感じました。
7年の歳月を経て開発した特許技術はやはり本物だった!
なんすか!? このまるで飛行機のエンジンのようなこのスピーカー。
PR/01専用に7年の歳月を経て開発された独自の特許技術「Active Pression Reflex*」テクノロジーは、同軸2ウェイスピーカーシステムに内部ウーファーまでも実装し、4つの最新世代のDSPデジタルアンプで制御されたニューマチックシステムを採用。PRESSION REFLEXの頭文字をとってPR/01と命名したほどのサウンドは、もうこれ以上必要ないほどの迫力の重低音と、圧倒的な音の再現力にただ笑ってしまうだけ。
通常多くのスピーカーブランドは他社製OEMドライバを独自にチューニングして音作りをしていますが、長年ピュアオーディオを創り続けてきたラ・ボワットコンセプトの卓越した技術力で独自開発したドライバから発せられるサウンドは、ちょっと次元が違うというか、もはやピュアオーディオと言っていい程、本物のステレオ・サウンドでした。
ピュアオーディオの性能を一体型スピーカーに詰め込むというラ・ボワットコンセプトの理念がはっきりと伝わってきます。
映画やゲームも楽しめる没入感あふれるステレオサウンド
サイズとしては、幅41cm, 高さ23.7cm, 奥行き25.6cmとそれほどスペースを取ることもありませんが、本体は12kgと持ち上げるとずっしりと重く、良い音だしそう〜と思える重量感で、TVボードに置いてホームエンターテイメントオーディオとして楽しめるのが映画好きの私にとっては嬉しいところ。
音楽ライブ映像や映画、ゲームなど大画面で楽しむ時などは、サウンドもそれなりに迫力がないと物足りないですもんね。そんな時はオプティカル(光端子)接続でTVとPR/01を接続するだけで、わざわざ5.1chサラウンドシステムを組まなくてもこれ1台で十分すぎるくらい。今流行のサウンドバーは位相を操作することで、擬似的に臨場感を出すよう設計されているため、音楽を聴くにはあまり向いていませんが、やはり原音の高忠実性を目指して作られたピュアオーディオの血統を持つPR/01とは音の質は歴然です。
ただ、そんなイマーシブなサウンド体験をさせてくれるPR/01ですが、TVに繋いだときの欠点としてボリュームコントロールが本体でしかできないこと。NETFLIXやAmazon Prime Videoなどで完全に没入する時はいいのですが、CMが挟んだりするTV映像などはちょくちょくボリュームの調整をしたいなという場面がありました。是非リモコンを付けて欲しいものです。
どんなインテリアにも合わせやすいカラーバリエーション
PR/01のデザインは、とてもシンプルで主張しすぎないためインテリアに合わせやすいのですが、さらにモダンやナチュラル、ビンテージっぽい空間など様々なライフスタイルに溶け込むよう3種類のカラーが用意されています。
最も落ち付きのある佇まいの天然ウォールナット材のPR/01(ウォールナット)に、明るい基調の天然オーク材で覆われたPR/01(オーク)、そして全面ホワイトのPR/01(ピュアホワイト)の3色です。
ウォルナット仕様は、JBLの往年の名機”4321"を彷彿させるビンテージっぽいデザインが男心をくすぐりますし、オーク仕様は明るいナチュラルな感じが、音楽とともにお部屋を明るくしてくれそうな爽やかなイメージです。また、ピュアホワイトはシンプルでモダンなイメージにぴったりですし、敢えてクラッシックなものに合わせて対比を楽しむのもヨーロッパっぽくって良いですね。
この内PR/01(ウォールナット)のみスピーカーコーンがセルローズ製で、その他の2色のスピーカーコーンはいずれもアルミ製となっています。セルローズとアルミの違いが音質にどんな効果をもたらすのか聴き比べてみると、これまで聴き慣れたほとんどのスピーカーコーンが採用しているセルローズに比べ、アルミの方が中高音域がより鮮明に聴こえます。しかも低音が一層強く感じ高低のコントラストが強い感じ。
アルミの特性として重量があり剛性が高いので、音の重心が低く低音に強いのと、音の伝送が速いので高域の再生周波数を高く設定できることもあり、浸透力のあるクリアな高音と厚みのある低音が持ち味とされています。ただ、そうは言ってもその差は2台並べて聞き比べないとわからないレベルですからあまり気にせず、それよりもカラーや素材感で選んだ方がいいと思います。
因みに値段的にはセルローズのウォルナットが、アルミのオークとピュアホワイトに比べ約1万円安くなっています。
パワフルでイマーシブなサウンド。多彩な表現力を持つ本格派アクティブスピーカー
こうやってPR/01をひと通り試してみて感じたのは、やはり音の専門家たちが素晴らしい手練で作ったスピーカーだったってこと。
一体型のアクティブスピーカーは、無駄な配線が無くてマートで簡単にどこにでも設置できるのが便利な上、パッシブスピーカーのように、音質もアンプに左右されることなく、内臓アンプとスピーカー自体がベストなマッチングでチューニングされているので、音質的にもパッシブスピーカーに劣りません。
複数のスピーカーを配置して、物理的な立体感に頼らなくても、240wの出力を誇るPR/01の3Dサラウンドサウンドのアクティブスピーカーで充分な没入感を味わうことができました。
最も5.1chのスピーカーシステムと比べて映画の臨場感では若干劣るものの、逆に音楽を聞くときなどは5.1chやサウンドバーによくある詰まった感じがなく、レスポンスの良いサウンドに心地よく浸ることができます。
スピーカーやワイヤレス技術の進歩などあらゆることが新しくなっていく中、正直どんなスピーカーを選べば良いのか迷ってしまいますが、スマホやPCなどと接続して気軽に普段使いができて、しかも高音質なサウンドに浸りたい人には間違いなく高音質アクティブスピーカーがお勧めです。
スピーカーもイヤホン同様いつでも気軽に簡単に聴けることが大事だったりしますからね。
今回レビューしたPR/01。これだけの技術が結集したパワフルでイマーシブなサウンドと様々な用途に対応する多様性に、優れたデザインと高級な質感は、ラ・ボワットコンセプトの他のモデルに比べ、破格のバーゲンプライスと言っても良いと思います。
音楽を存分に聴き倒したい。映画やゲームなども大迫力で楽しみたい。しかも簡単に。
PR/01、そんなあなたがきっと納得できる一台だと断言できます。
【Information】
カラー:ウォルナット、ホワイト&オーク、ピュアホワイト
ブランド:LaBoîteConcept |ラ・ボワットコンセプト
寸 法:L 41 cmx幅25.6cm x H 23.7 cm
重 量:12 kg
出 力:240W
【仕 様】
Apt-X®Bluetoothワイヤレスステレオスピーカー
充電ステーション-マルチメディアハブ
アクティブプレッションリフレックス特許技術
引出し:充電ポートとケーブルへのアクセス+ストレージスペース
+QI充電用のワイヤレス充電器を取り付け可能
Google Home、Google Chromecast、Apple Airport Express、
Amazon Echo&他のテクノロジーに適応可能
コネクター:BTApt-X®/DAC Toslink Optical 24ビット 光端子オーディオ入力
2 x USB-A /1 x USB- C
ステレオRCAライン入力
3.5mmステレオミニジャックライン入力
4つのデジタルアンプ:1x 5inc ロングエクスカーションウーファー内蔵
2xシングルドームツイーター
ぶん / Noboru