エルメスが贈るシネマ体験『彼女と。』のセットに何と.....!
2018年7月11日〜30日まで、国立新美術館で開催中のエルメスが贈るシネマ体験『彼女と。』に行ってきました。
今回のエルメスの展覧会はちょっと変わっていて、映画『彼女と。/ AVEC ELLE』の撮影現場を想定し、観客を演者に見立てたインスタレーション形式。
演出は、自身も映画を作りキュレーターとしても活躍するロール・フラマリオンと、エルメスのレディス部門のアーティスティック・ディレクター、ナデージュ・ヴァンヘ=シビュルスキーによる監修によるもの。
物語は、シネマスクリーンに映る女性(エルメス)に魅了されたある作家が、その女性の物語を書こうと決心することから始まります。
そして、作家は彼女を探そうとするが、彼女は一向に姿を表わさない。
しかし彼女は、作家に3人の友人の連絡先を伝える。
作家はその3人の友人たちと会って、彼女にまつわる話を聞いていく。
そして最期の友人に会った時、作家はその友人から彼女の家を教えてもらった。
その家の前では彼女の妹が待っていて、部屋の鍵を渡される。
いよいよ彼女に会える。
作家はそっと彼女の部屋に入ると…..
そこは、彼女の世界観に満ちた素敵な空間が広がっている。
しかし、彼女は……
『彼女』の元カレね。
わかりずらいけど、このキルティングの革のブルゾン、かっこよかったです。
『彼女と。』のストーリーに登場する人物のスタイリングは勿論エルメス、そして、オブジェや家具などエルメスのコレクションが小道具のように展示されていて、とてもスタイリッシュな空間を楽しむことができます。
シーン5の小道具置き場。
一度の公演は約45分間。観客は50人くらいで、ほとんどが女子。
そのうち、1人が作家を演じ、残りはエキストラとして参加。
当然、私はエキストラとしてポッチ参加です。
ビューティフルな赤いシューズ。
このストーリーは、7つのシーンに分けられていて、シーンに沿って作家(アクター)とエキストラに扮した観客が、一緒に彼女を追いかけて行くという不思議なエキシビジョン。
そして、映画の撮影現場を再現したセットは、撮影シーンや、メークルームに控室までをも丁寧に再現していて、ホントにスタジオで撮影を見学しているような気分になります。
撮影現場でお馴染みのディレクターズチェアとハリウッドランプ。このコンビネーションは、いつ見ても、華やかさと儚さが同居したよう。
このスタイリング、馬具っててかっこよかったな〜、
このストーリー、こうやって『彼女』を追いかけて行くと、彼女のイメージカラーは「赤」じゃないの?って思えちゃう。
皆さんも是非、このシネマ体験で『彼女』を探してみてください。もしかしたら私が見た『彼女』と違うかも。
そんな想いにふけっていると、床のタイルにつまずいて、もうちょっとで、エルメスの伝統と、50人の記憶に爪痕を残すところでした。あっぶねー。
そして、いよいよ終盤。サンルームのある彼女の部屋が、最後のシーン7。
(彼女)エルメスらしいナチュラルなトーンのインテリア。
一見すると淡白なのに、ちゃんとリッチ感が漂っているのは流石エルメス。
そしてふと目線を下げると、おっ?
あるじゃないですか。そこに。
Tivoli Audio(チボリオーディオ)が。
しかも、ちゃんと音出てるし。
ORBはどちらも、きっちり仕事していました。
Model Twoも今日はちゃんと上品にアピってる。
この健気さに泣けてきたね。
カメラのファインダーが滲んでた。
トレンドの プリント・シルクシャツは、エルメス往年のシルクツイル・スカーフを彷彿させるお家芸。 デリケートだけど、力強くもあって、オスカルっぽいよね。でも間違った人が着ると、ピコ太郎になるという諸刃の剣。
こんなに凝ったセットだけど、何でも、このシネマセットのコーディネートは、全てエルメスのスタッフによるものなのだとか。
幾多のオーディオがある中で、世界のトップブランドのイメージにマッチするオーディオって、そうそう無いですよね。それに選ばれたんだから、こんな嬉しいことありません。
こうなったら、我家もダイニングテーブル&チェア、思い切ってエルメスに替えちゃうか!
勿論、リボ払いで!
この不思議なシネマ体験の余韻から目覚めた時、
頬を寄せ合い、耳元で囁いているのは、
きっと、
赤いシューズが似合う
VISAの『彼女』だろう。
E N D
ぶん / Noboru