【改訂】チボリオーディオ のMUSIC SYSTEM BT徹底レビュー | 高音質な一体型オーディオをお探しの方へ

皆さん、CD聴いていますか?

Wi-Fiストリーミングが一層便利なった今でも、私は自宅では未だにCD派です。

MUSIC SYSTEM BT(ミュージックシステムBT)は、チボリオーディオの一体型最上位機種として、20年間その容姿をほぼ変えることなく、時代に合わせて内部のメカニカル部分を少しずつ改良し続けてきたロングセラーモデル。

クラシカルで温かみを感じるデザインに、直感的な操作とクリアーな音質に迫力のある重低音を併せ持つ上質なサウンドは、オーディオファンのみならず多くの人に愛され続けてきました。

そんな多くの人を魅了してきたオーディオですが、まずはそのアイコニックなデザインに引き込まれてしまいます。
モダンでもクラッシシックでもどんなインテリアにも合うウォールナットで纏われた四角い木箱は、さりげなく飽きのこないフォルムながら、いつ見いても新鮮で愛おしささえ感じさせてくれます。

と言ってもデザインに決して派手さはなく、人を喜ばそうと寄せてくる愛想も感じませんが、そんな素朴でさりげないところがミュージックシステムBTの最大の魅力だと思います。

今回このロングセラーとして人々を虜にしてきたミュージックシステムBTが本格的なマイナーチェンジを行いました。以前のレピユーからかなり経ったこともあり、改めてご紹介したいと思います。

 

 

1. CDプレーヤー
アーティストの世界観に浸る

まず他のスピーカーと違う点として、CDプレーやーが内蔵されていること。但し、CDプレーヤーは今回のマイナーチェンジで特に変更されていません。

最近ではレコード人気が高まってCDは影を潜めていますが、それでもCDをなかなか処分できず棚を占領されている人も多いのではないでしょうか。

私もそんな一人で、ゆっくりと音楽を聴きたいときは、できるだけアーティストの作品の世界観に浸るためにアルバムを頭から聴きたいタイプです。

だから私にとってCDプレーヤーはなくてはならないモノなのです。

とはいえマーケット的には斜陽なCD文化。その意味でもミュージックシステムBTのCDプレーヤーは希少な機能だし、一体型で操作が簡単なのでとても助かります。

 

 

2. ラジオ
ワイドFMによる高音質ラジオ視聴

次にこちらも無いと困るのがラジオ。

元々ラジオが起源のチボリオーディオだけに、ラジオのチューニング精度や人声をクリアに再生する点では、他のオーディオと比べても頭ひとつ抜けている感じです。今回のマイナーチェンジでは、ラジオのチューナーをさらに改良し、今まで以上にチューニング感度が向上しました。DABが普及し始めた現在でもアナログラジオへの探求を惜しまないのはさすがですね。

ミュージックシステムBTは、AMとワイドFMラジオが装備されていて、それぞれ6局づつメモリーとしてプリセットできます。私は日頃よく聴くラジオ番組は3局程度なので十分すぎるほどです。

また地域を選びますが、AMラジオを高音質のFMで受信でき、これまでコードタイプだったFMラジオアンテナが、伸縮式スチールアンテナに変更されたのも地味に嬉しいところ。
ただ、本棚などに置いてアンテナを伸ばすスペースがない場合は逆に不便かもしれません。

 

 

3. 音質
音に妥協したくないあなたを、新たなドライバーが更なる極みへ導く

チボリオーディオ自慢の音質もいくつか改良されましたが、この変更こそが今回のマイナーチェンジの中で一番の目玉だと思います。

これまで20年間改良を続けけてきた3インチフルレンジドライバーと、5インチのウーファーユニットをより高性能なユニットに完全に変更し、それに合わせて内部イコライザーのチューニングを変更したことで、よりクリアで音場の広いとても聴きやすいサウンドに生まれ変わりました。

底面に内蔵された5インチのウーファー。背面のノブで調整可能です。

低音ノブをひとつ上げると全体的にパワフルでバランスが良くなり、AUDIO選択でイコライザーをスペース・フェーズ・ワイドモードに切り替えると、明らかに音の広がりが増してまるで劇場で生演奏を聴いている様な臨場感を体験できます。

この新たなドライバーで聴くRAUL ORELLANA「Guitarra」の情熱的なクラッシックギターソロは、手を伸ばせば届きそうな距離で弾いていると思えるほど音像定位がしっかりしているのに驚きました。

ミュージックシステムBTの音創りは、アナログの生音系の楽曲がみずみずしくて相性がいいようです。

旧モデルではクリアで明瞭な音質が持ち味だったのに対し、この新モデルではパワフルさと立体感が増して、持ち味のクリアさはそのままに、音に厚みが出て確実に音質が向上しているのがわかります。

この音質こそがハイエンド・オーディオ・ファンをも納得させて、彼らのサブ機として人気を博している証です。

 

 

4. サウンドバー
迫力の重低音サブウーファー内臓で、サウンドバーにも!

ドライバーが変更されて、低域から中高域までレンジが広く密度の高い音質を手に入れたミュージックシステムBTは、実はサウンどバーとしても楽しむことができるんです。
一般的なフランスパンの様なサウンドバーは、サブウーファーがないと重低音が出ませんが、ミュージックシステムBTはウーファーが内蔵されているので、セリフの明瞭度や広がりのある臨場感が求められる映画やドラマも、クリアな高域とスッキリとした低域の絶妙なバランスに迫力のある重低音が加わり、AUDIOセレクトで内蔵イコライザーの広い空間に適したスペース・フェーズ・ワイドモードを選ぶと、映画などのサウンドバーとして使用する場合は特に劇場のようなサラウンド感を体験できます。

 

 

5. イコライザー内蔵
ボタンひとつでお好みの音質に

上記のスペース・フェーズ・ワイドモードに加え、ラジオのパーソナリティのような人声が聴きやすいモノラルモードと、音楽鑑賞に適したステレオモードの3種類の音質が内蔵イコライザーにプリセットされているので、お好み応じて使い分けることができます。

 

 

6. 操作性
直感的でわかりやすい操作系

操作性については20年間ほぼ変わることなく踏襲されていて、今回もこれまで同様です。
チボリオーディオ のクラッシックライン特有のダイヤルとボタンが配置され、現代のデジタルオーディオのような階層のある操作はありません。そのため直間的で誰でも簡単に操作できるのも、永年親しまれてきた理由のひとつです。

また、リモコンも付属していますので離れたところから操作できるのが嬉しいですね。ただこのリモコン、めちゃめちゃ薄くて安っぽいので、次回のアップデートではもう少し質感の良いものに変えて欲しいです。

 

 

7. 外観上の変更点
わずかな違いでも大きな進歩

旧モデルではここに光センサーが付いていましたが、新モデルでは無くなりました。
環境の明るさによって液晶の明るさを自動調整するためでしたが、世界的に誤作動も多かったようなので無くなって安心しました。



「POWER」ボタンの色が他のボタンと同色になりました。


FMアンテナがスコードタイプからスチールの伸縮タイプに変更されすっきりしました。

上が新モデルで下が旧モデル。 
どうです? 外感的な変更点は言われなければ身分けがつかないほど僅かです。
新モデルでは、本体のウォルナットの色味が濃くなり、よりビンテージ感が増した感じですね。

 

 

 

8. その他
あると便利な機能

2つのアラームを設定できるデュアルアラーム機能は、設定した時間にスイッチが入り、CDやラジオが再生されるとスタートモードと、設定時間に電源がOFFになるスリープモードがありますので、お目覚めの時や就寝時と使い分けができて便利な機能です。本体TOPのアラーム停止ボタンも大きくて使いやすいです。

ヘッドホン出力端子

 

 

究極の一体型オーディオへ

2000年のTivoli Audio創業当時、Bluetoothはまだ世の中に普及していなかったため、ラジオとCDプレーヤーを視聴するための一体型ステレオ・オーディオとしてリリースされたミュージックシステム。その後2005年に初めてBluetoothを搭載し、ミュージックシステムBTと改名されました。

それから15年後の2020年に大幅なマイナーチェンジで新しくなったミュージックシステムBTですが、旧モデルと比較してみるとオーディオとして確実に性能がアップしていることを実感しました。これまでのミュージックシステムBTでも全く不満を感じることなく、クラシカルなデザインと温かみのあるクリアで聴き心地のいいサウンドに満足していたのですが、いざ新モデルを使ってみるとその違いに愕然としました。

とにかく音質の向上が凄まじく、音楽再生した途端すぐに感じました。
これほど変わるものかという程変わりましたね。

音がより鮮明にくっきりと聞こえて、それでいて密度の高い重厚感のあるサウンドです。
日常的に気軽に音楽やラジオを聴いたりする家庭のオーディオとして、ちょうど良いパワーのオーディオではないでしょうか。

もともと持っていたポテンシャルを最大限に生かしながら、核となる音質をさらに極みへと追い込んだミュージックシステムBTは、Tivoli Audioのクラッシクラインのフラッグシップ機にふさわしい貫禄と威厳を持った存在として、敢えてデザインや名前を変えることなく静かにしかし大きく進化しました。そんな奥ゆかしい軽妙洒脱なところが、日本人好みで実にチボリオーディオらしく、またミュージックシステムBTっぽいなと感じるところです。

永く付き合うのはこういうパートナーが一番かも‥‥

 

 

 

ぶん / Noboru